RSさん (2) アメリカ看護学校の実習 集中治療と産婦人科のローテーション
2025年3月1日掲載
RSさんの前回の体験談はこちら。
最終学期になりました!
今学期は、そしてNCLEX試験対策を中心とした学期になると説明されました。集中治療へはまだ3回ほどしか訪れていませんが、一つ一つが濃い体験でした。根底は内科・外科の看護ですが、持続した要観察の患者が多いため看護師の担当患者の数が少ないのが印象的でした。また患者のほとんどが挿管されてたり麻酔の影響で眠っていたり、起きている患者と接する機会が少ない代わりに患者の家族と話すことが多く、たくさんのアセスメントをす
る機会に恵まれました。
集中治療は患者が行くのは悪い印象を持たれがちですが、患者の数値に合わせて調節しなければいけない薬を使っていたり、体にかなりの負担をかける心臓手術を受けた患者の経過観察など、必ずしも生還できない患者が来る場所ではありません。ただし、やはり一定数は回復の見込みがなく患者の家族が厳しい決断を迫られる状況もあります。私は数回しかまだ訪れておりませんが、どの日も必ず一人は余命数か月やその日に天に召される可能性が高い人がいらっしゃいます。集中治療室での看護は薬に対する造詣がかなり必要であり、場合によって長い説明や
重い話を患者とその家族にできる胆力とコミュニケーション能力が必要だと感じました。
集中治療の雰囲気に関しては二つの病院の集中治療室を訪れましたが、3-4エリアに部屋が振り分けられているのでそのエリアごとに派閥・グループが出来上がっている印象でした。エリア同士の接点は薄いですが、エリア内部の結束は強く、何かあった場合はお互いをカバーしていました。ただどうにもブラックジョークが全体的に多い印象でした。
産科へはまだ一度しか訪れていませんが、なかなかに刺激的な体験でした。朝一番に見たのが帝王切開で、その際に生まれた赤子の容態が悪くすぐに別室で呼吸の治療を受ける事態になったのもあり、個人的にかなりショックを受けました。産婦人科は病院の中で唯一嬉しい出来事のために患者が来る場所という印象でしたので最初からトラブルに見舞われるとは思っていなかったですが、赤子が真っ白で鳴き声がか細い状態にも臨機応変に治療にあたっていた呼吸療法士と看護師は凄いなと思いました。印象としては集中治療と似ていて、一人の看護師がそれなりに
付きっ切りで1〜3人程の妊婦・お母さんと新生児のケアを担当しているようでした。かなり密に患者とその伴侶と接するので対人関係能力が非常に重要だと感じました。常に決まった患者数が毎日いるわけではないので変化を好む人向けの看護だと思います。
また救急棟へも一度訪れたきりですが、こちらはどちらかというとハイペースな外科看護に似ていると感じました。救急とは書いてますが、救急車で来る患者は少なく、ほとんどの患者は自分で運転もしくは家族に送ってきてもらっているようです。常に誰かを迎え入れて誰かを退院もしくは入院させて部屋を開けるという作業を行っているように感じました。集中治療や外科・内科と比べてアセスメントや記録はあまりしていませんでしたが、点滴開始や様々なテストをしたりすることが多かったです。数時間ごとに移動していく患者ゆえにたくさんの人と接する機会が多く、臨機応変な対応が求められました。
私のNCLEX試験対策についても話したいと思います。ATIというウェブサイトを使ってスタンダードの分野別クイズを週に1、2回は解こうとしています。NCLEX対策クラスでは毎週練習問題を100問解き、得意・苦手問題の分析レポートを書くことが課題です。練習問題を何度も解くのも必要なのですが、何が苦手でどこに集中しなければいけないのかというのを知るのも必要なのでSaundersとATIの問題を振り返ってどうして答えがそうなのかを見られる機能が大変ありがたかったです。