AZUSAさん (2) 看護留学キャリアチェンジ

AZUSAさん (2) 看護留学キャリアチェンジ

2018年11月更新

キャリアチェンジからのアメリカ看護師

2016年に登場して頂いたAzusaさん。その後、看護科LVNの学校へ入学し、いよいよ卒業試験、現在はLVN看護資格申請中です。そんな多忙を極めるAzusaさんから「アメリカ看護学生」の生の声!!を伺いました。

星さん、こんにちは。いつもお世話になっております。もうすぐ、LVN受講が追わり最終タームをむかえます!第2弾にわけて書きます。まずは、今から1年前の2017年9月からです。

今からちょうど1年前の2017年、看護学校の突然の学校閉鎖になりました。あの頃は、「学校が閉鎖するかもしれない」という、噂があり、当時の看護学科担当者からは「絶対に閉鎖することはない。大丈夫だから」と言われ続け、一人で考えた結果、その言葉を鵜呑みにし授業料支払いを早急に済ませ、これで私も看護師としての一歩を踏み出せる!と、期待を胸に膨らませていたことを思い出します。ところが数ヶ月後、「学校完全閉鎖」という知らせを受け、目の前が真っ白になり、学校担当者に直接学費の返還を求めました。
「正式な書類を書いてからじゃないと返金できない」「今、ファイナンシャルの担当者がいない」「今、学校にお金がなくて返せない…」との返答でした。

怒りと悔しさと、もうわけがわからない状態でした。

それ以上に、応援してくれている両親が一生懸命働いて送金してくれたのに、無駄遣いされたことが悔しくて、あの時に騙した担当者を殴ってやりた!!!かったです。実は今でもそう思っています・・。

私は留学生なので、現地のアメリカ人の学生と同じように看護学校へ在籍していても、「学生ビザ」に関して滞在資格は絶対どんなことがあっても注意や規則を守らなければなりません。

そこで困った時には、必ず、いつも、星さんを思い出すのが私なんです。
学校閉鎖となれば私の滞在資格は失われ本帰国、または最悪はビザの関係で渡航10年間Iはできない、なんてことにもなります。私は、早急に学校を探さなければいけない状態だったので、すぐに星さんに連絡をしました。

星さんへ話をしていくうちに、私は、悔しい気持ちをくみ取って頂いていたせいか何だか精神的に少し楽になりました。そして、救いの手を差し伸べて頂きました。今まで、RNのプログラムにいたので、LVNのプログラムに行くことに戸惑いもありました。しかし、現状を考えとにかく少し遠回りしてでも自分の最終目標にたどり着くなら今はとにかく、頑張って頑張って、悔しい思いをした分、絶対に看護師になって、前の学校の関係者を見返してやろうと思いました。
それが、ちょうど今から1年前の2017年の9月です。

新しい学校、新しいクラスメートそれから、自分がずっとやりたかった看護の勉強、不安でいっぱいでした。就職率が高い看護科なので、看護学生への管理が徹底的にされています。

1日目のオリエンテーションでは、出席・遅刻に関する重要性、看護師としてプロフェッショナルとは何か、勉強の内容、一定の成績が維持できない者は、タームごとに落第させられる、など今まで通っていた学校ははっきりと、ここまで言わなかったので、一気に不安になりました。
分厚い教科書数冊、聴診器、制服を支給され、「これから頑張ろう!!自分のやりたかったことはこれだ!!」と不安もありましたが、楽しみで仕方がなかったのを覚えています。

オリエンテーションの終わりに、DON(Director of Nurse)から、「明日から、授業です。chapter 1を読んでくるように!!」と言われたのはとても衝撃でした。実はこの時点で、もうプログラムは始まっていたのですね…
学校は、ターム1からターム4まであり、それぞれのタームごとに学ぶことが分かれています。平日2日間は座学でTheory(理論)を学び、3日間はClinical(実習)で病院や施設に行きます。

オリエンテーションの次の日から、本格的に始まり、ターム1はいわゆる、「基礎看護学」を学びました。看護理論では、法律や看護の歴史について学び、実習ではベッドメイキング、車椅子や歩行器などの使い方、食事の介助、Gtubeといって、胃瘻の患者さんへの介入などを学びました。
Theoryでは、とにかく医療専門用語がたくさんで、授業についていくことが難しく、毎日学校のあと夜中まで復習していました。

実習は、想像以上に大変でした…私は、英語に自信がなく、食事の介助も無言でやっていました。正直、「寝たきりの患者さんだし、いいか…」なんて思っていました。なかなか口を開けてくれなかったのでちょっと無理矢理食べさせていました。それを見ていた、CNA(Certificate Nurse Assistant )看護助手から、「患者さんをなんだと思ってるの?あなたの家族だったら、こんな事されて嬉しい?彼女(患者さん)は、死んでないの。耳できちんと聞いてるの!見てて!」と寝たきりの患者さんに「Hi, honey it’s breakfast, today, you have egg, pancake…etc」など、実際には赤ちゃんの離乳食のようなご飯なのですが、視覚ではなく聴覚で美味しそうなイメージを浮かばせ、ゆっくりと患者さんに食べさせていました。

英語に自信がない私は絶対にできないと思っていました。実習は、2人1組になって1人の患者さんを任されるのですが、食事の介助は食事のトレイをダイニングルームや患者さんの部屋に運び介助の必要な患者さんにつくのです。看護はチームワークがとても必要なのです。例えば、ベッドシーツの交換やオムツ交換など、体の大きな大人を動かす作業は一人ではできず、必ずパートナーと息を合わせて患者さんに不快な思いをさせずに素早く仕事をこなさないといけないので、このチームワークがとても重要なのです。私は、クラスメートであるコリアンアメリカンとメキシカンアメリカンの女の子とチームになりました。私たちのやり取りはもちろん英語。最初は彼女たちの言っていることが、早口でわからず、恥ずかしかったですが、一つ一つ自分の言葉で聞き返していました。そうでないと、一人の失敗がみんなの責任になるからです。チームメイトの彼女はCMAとしての経験があるので、患者さんへの声かけや、シーツ交換やオムツ交換の早ワザは本当に尊敬しました。

ターム1では、約2ヶ月半の実習があり、最後の方は患者さんも顔と名前を覚えてくれるようになりました。
週2日の理論は、まず毎日必ずQuizと言って、テストほど大きいものではありませんが、きちんと理解をしているか確認をする小さなテストが毎日ありました。学校が終わってから、勉強してあまり睡眠時間が取れていませんでした。初めて学ぶことが多くて、単語や文章が難しくて辞書とGoogleを使ってしらべていました。勉強が終わらずよく泣いていました…

そして、タームの最後にATIといって、コンピュータを使って受ける大きな総合テストがあり、これに合格しないと、次のタームに上がることはできずに、不合格になれば、再度ターム1からやり直しなので、みんな必死でした。なぜなら後のNCLEXに出題傾向が似ているからです。これは、成績の大部分を占めるので本当に大変でした。出題問題の言葉が難しいのですが、留学生だからといって辞書を使うことは一切認められません。
このターム1が終わった時点で入学生徒21人のうち、3人がdrop out(退学)していきました。
私は、ターム1、何とか踏ん張ってターム2へ行きました。

2018年の年が明け、ターム2が始まりました。
ターム2のメインの学習は「Pharmachology(薬理学」と「Mental Health(精神科学)」です。
Pharmachologyはまず、Theoryのクラスで10個、実習に行くたびに10個の薬を覚えます。Meds Cardと言って、薬の名前、ブランド(例えば、asprin=Tylenol)、side effect(副作用、しかし悪いものとは限らない)、adverce effect (副作用、薬を摂取することにより、悪影響を及ぼす。)、contraindication(禁忌)、patient teaching (どのように摂取するか、摂取する際に気をつけることを患者さんに説明する)を、書いたカードをインストラクターに提出し、正しい知識が理解できているかどうか、チェックしてもらいます。

授業では、個々の病気を治療するために使われている薬を学んだり、IV(点滴)治療をするために、点滴を落とす時間や量を計算する方法、患者の体重を考慮して与える量を計算する方法、1日に処方する錠剤の数を計算する方法などを学びます。日本人の私にはかなり有利な授業でした!というのも、アメリカの算数や数学の学習方が日本と大きく違うため、アメリカの考え方はとても複雑で、アメリカで育った生徒たちは、かなり苦戦していました。

Mental Healthでは、「ADHD」「薬物依存症」「精神疾患」がどのような症状なのか、各々の疾患に使用される薬などを学びました。
以前にも、お伝えしたATI(Assessment Technologies Institute)を合格しなければいけないのですが、覚える薬の量や疾患名がかなり複雑なので、とても苦戦しました。

実習では、授業でメインに学ぶ「インスリン」の投与の方法を学びました。糖尿病はアメリカの三大疾患の一つで、多くの患者さんがいます。実習先でも、かなりの人数がいました。4人1組になって、チャージナースから血糖値の計測が必要な患者さんの病室と名前を教えてもらい、機械を持って計測をお願いされたりしました。最初は、英語や技術もままならず、「さっさとやりなさいよ!」など、「痛いじゃないの、下手くそ!」など罵声を浴びせられたりしました。それでも、アメリカ人のチームメイトが助けてくれて、すばらしいチームワークで、腕が上がるとスピードと正確さで患者さんに褒められたりしました。インスリンの投与では、チャージナースのスーパービジョンの元で、インスリンの準備(インスリンを注入器に入れる)から投与まで、やらせていただきました。ここでも、スピードが求められるため、緊張からか汗だくになりながらの準備でした。薬の投与が難しいのは、患者さんの中には、認知症の方もいらっしゃるので患者さんとの信頼関係を築いていくことが、とても大切なのです。患者さんには、拒否する権利がありますので…。

勉強面ではかなり充実した日々を送っていましたが、学校生活では人間関係でかなり辛い日々を送っていました。今から考えても、理由はわかりません…ある日の金曜日、いつも通り学校の授業を終えて、「see you!」と友達に別れを告げて、週が明けた月曜日の朝に、私がいつも使っている机周辺に広いスペースが空いていて、周りから省かれたように机が置いてありました。友達が来たので、「Good morning」と声をかけると無視でした…同じグループの中にいた子も、目も合わせてくれず無視でした。

私が、授業中に発言すると後ろでクスクス笑い、休み時間は彼女達の言語で悪口、もしかしたら悪口じゃないかもしれませんが、言われているような気がしてしまい、泣く日々が増えました…ちょうど、その時にふと星さんに会いたくなってしまい、カウンセリングをお願いしたのを覚えています。星さんは私を励ましてくれて、涙する私に優しく言葉をかけてくださいました。最後はハグをしてくれて、「絶対大丈夫だから!」とあの時の温かいハグは一生忘れません。こうして、私のターム2は終わりました。

星さんの言葉はいつもいつも私の心の支えになっています。卒業までもう少しターム終了後、またお知らせしたいので読んで下さい。

サポートして頂いてからもう5年が経ちます。カウンセラー星さんとです!

サポートして頂いてからもう5年が経ちます。カウンセラー星さんとです!

実習にて、Documentation (記録)の練習をしました。Charge Nurseから実際に、その施設で使われている書類で患者さんの様子や、自分でassessment(患者さんに対して行った評価)した結果を書きました。なかなか難しいです。

実習にて、Documentation (記録)の練習をしました。Charge Nurseから実際に、その施設で使われている書類で患者さんの様子や、自分でassessment(患者さんに対して行った評価)した結果を書きました。なかなか難しいです。

私のクラスメートです。ケンカもたくさんしましたが、勉強するにあたり1人でできないことも、みんなで助け合いました。

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エンゼルスで活躍中の日本人選手、大谷翔平選手を応援に行きました。アメリカ人でも大谷選手のファンも多く、メジャーリーグで一生懸命活躍している彼は、日本人として誇りですし、私も頑張らないと、と元気をもらいました。

エンゼルスで活躍中の日本人選手、大谷翔平選手を応援に行きました。アメリカ人でも大谷選手のファンも多く、メジャーリーグで一生懸命活躍している彼は、日本人として誇りですし、私も頑張らないと、と元気をもらいました。

LOS ANGELESで頑張る看護師の卵たちの”つぶやき” ~看護科ターム1終了しターム2へ進みました!~

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Shioriさん (1) ようやく念願のアメリカ看護科編入 RN to BSNを果たしました !

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