N.A.さん (5)  新型コロナウイルス禍の海外の看護現場から @ ニューヨーク

N.A.さん (5) 新型コロナウイルス禍の海外の看護現場から @ ニューヨーク

2020年6月10日掲載 N.A.さんの前回の体験談はこちら

アメリカ看護の皆さん、星さん お元気ですか?

私は、看護大学卒業後、星さんの紹介してくださったカリフォルニアロサンゼルスで就職が決定していました。しかし、コロナウイルス(COVID)の影響で、実際に雇用開始される日が未定の延期となり、何もしていない期間が長くなるのは耐えられず、コロナウイルス(COVID)Pandemicの中心地となっているNY州でRNとしての就職を開始できました。有難うございます!

病棟には、Post-Acute(急性期後)の患者さんから、Terminal(終末期)の患者さん、Subacute(準急性期)の患者さんが入所しており、全200床程度規模の施設で仕事開始しました。半数以上はコロナウイルス感染患者さんです。仕事開始の2週間ほどは、16時間を感染防護具着用でPPE(personal protective equipment )で働くこともありました。写真を見て下さい。

Covid 病棟

Covid 病棟

以前星さんからは聞いていましたが、仕事初日から、オリエンテーション等は無く、いきなりの業務で毎日が手探りの中、周りのサポートを得て、日々学びながらアメリカ看護師として働いております。主な仕事は麻薬/内服/輸液管理、重度褥瘡ケア、経管栄養管理、異常バイタルの患者さんの観察/アセスメント/報告、正式名称CNA(Certificate nurse assistant )のassignmentです。

基本的にRNはフロアに一人になるので、すべての報告が私へきます。その中には、緊急度の低いものから、直ちに観察しSupervisorに報告が必要な緊急度の高いものもあり、判断が難しいものもあります。毎日違う病棟で働いている為、日本のICUで働いていた時と異なり、全ての患者さんの全身健康状態を把握しているわけでは無く、特に急変しやすいコロナウイルス患者さんのアセスメントは緊張します。実際にCPRの機会も多く、コミュニケーション上でも緊張が解ける時間はありません。日本とアメリカの看護をと比べてみると、アメリカの看護師たちの仕事は全て業務分担されており、時間効率は上がります。ただ、それぞれの患者さんの全身状態の把握、細かい観察(皮膚・尿混濁・創部治癒状況・排便状況・食事摂取量の変化など…)は意識して毎回細かくCNAの方に確認しなくてはいけないため、その部分では全ての業務を看護師が行なっていた日本の方が私には向いている気がします。その一方で時間外勤務が、殆どない事はとてもアメリカ医療業務の素晴らしい勤務形態だな、と感じます。

また、物品にも限りがあり日本で行っていたケアや清潔管理、カテーテル管理ができないこともあります。その時には、あるもので清潔に、安全にできる最善のケアを考えます。私の場合は言語の壁もありアセスメント、報告する上で細かいニュアンスが伝えにくいこともあります。

ただ、恵まれているのは、日本人が私だけでスタッフや患者さんが早く覚えてくれたこと、わからない事は聞けば教えてくれる事、また、同僚の皆から、「元気?大丈夫?」と気遣って下さったり、「いつまで居てくれるの?こっちに移住して一緒に働こう。マネージャーになるまでトレーニングしてあげるよ」とまで言って頂けることです。周囲の温かいサポートには心から感謝しています。施設内に滞在していた頃は、生活費、通勤費も掛からない代わりに、昼夜関係なく呼び出されます。1時間おきに起こされることもありました。それでも、「あなたが来てくれてよかった。」と、言われると本当に嬉しく思います。

睡眠がほとんど取れないため、現在は医療者に無料で提供されているホテルに移りました。睡眠時間は確保され、少しストレスは軽減しました。状況は落ち着いてきていますが、ここニューヨーク州では、医療スタッフ・医療物品の不足は続いております。今後は、少しだけ期間を延長してNYに滞在する予定です。最近では、NY政府のコロナウイルスサポートも少しずつ無くなってきているので、現在ホテルにかわる滞在場所を検討中です。

また私は、現在、カリフォルニア州看護師免許移行や看護師ビザ申請などをアメリカ看護の皆さんからサポートを得ています。各書類作成に関しては、渡米前の NCLEX 書類申請と同様に、全面的にお願いしております。その為、書類作成担当者からの指示通り、日米看護学校の書類作成をして貰っている状態です。日本からの書類郵送で、最速国際郵便EMSが止められているため、とても、もどかしい気持ちでいっぱいです。正直な気持ちですと、内心とても寂しく、精神面コントロールが難しいので早く大切な人達が居るカリフォルニア州へ帰りたいです。

「今後のアメリカ看護師としてのキャリアに必ず役立つ!!」と信じ、「いい経験・勉強として受け止め」契約期間のあと数ヶ月間頑張ろうと思います。

星さん、アメリカ看護の皆さん、いつも手厚いサポートありがとうございます!!また先日は突然のアポ予約を取って頂き有難うございました。お体に気をつけてお過ごし下さい。

星さ~ん!!!またCAに帰ったらお話し聞いてください。次に直接お会いできるのを楽しみにしてます。

subacute 病棟

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私の部屋?空間?です。カーテンで仕切っていますが、ほぼプライベートなし笑

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