コロナ禍での遠距離介護(2) - LAで待望のワクチン接種!

コロナ禍での遠距離介護(2) - LAで待望のワクチン接種!

2021年5月15日掲載

次回の帰国に備えワクチン接種を予約

母の入院・介護のため、日本に緊急帰国したのは2月末のこと。4月に入り、私は一旦ロサンゼルスに戻ることになりました。帰国前夜、母の痰切れが悪く、夜中に看護師さんに自宅に来てもらい吸入という事態になったため心配になりましたが、私がアメリカにいる間は、看護師さんとEメールでやり取りができるようになったので少し不安が軽減しました。治療は医師や看護師さんたちに任せ、私は、少なくとも6月末まで父と母が2人だけになっても安心して暮らせるように手配したり、母の精神状態が安定するようにいつでもコミュニケーションが取れるようにしたりといった自分ができることにフォーカスしました。今のところ、大きな問題は起こっておらず、担当の看護師さんたちには心から感謝しています。

再度帰国する前に、新型コロナウイルスのワクチン接種をしたいと考えていた私は、アメリカに帰ってきてから早速予約サイトを検索することにしました。当時私の周りには、1回の接種で済むジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下JJ社)のワクチンを打った人は誰もおらず、また接種後の副作用は人によってさまざまであることはニュースなどで聞いて知っている程度でした。夫が接種したファイザー社のワクチンも検討しましたが、約1か月後に2回目の接種があるというのが面倒だったのと何かあればすぐに帰国できるようにするため、JJ社のワクチン接種を受けることにしました。

その時点では、PCR検査のように近所の薬局(CVC 、Walgreenなど)で接種の予約が可能なのはファイザー社とモデルナ社のワクチンのみ。JJ社のワクチンは予約可能と書いてあっても実際にウェブサイトで予約を取ろうとするとなぜかできません。結局、自宅から30分ほど離れた地域に行って接種することにしました。予約の際、「当日ファイザー社やモデルナ社のワクチンに変更されることもある」という一文が書かれており、当日まで本当にJJ社のワクチンを接種できるのかどうか不安がありました。

ワクチン接種当日 懐かしい看護師と嬉しい再会

接種当日は、予約時間より少し早めに到着するように家を出ました。入り口には予約をチェックする担当者がおり、車を誘導してくれスムーズに進みました。会場で忙しそうに働くスタッフたちを見て、アジア人はまだまだ少ないなと思いながら進んでいると「星さ~ん!」と突然日本語で声をかけられました。なんと10年ほど前に弊社を立ち上げた頃、看護師として永住権のサポートをしたSさんでした!彼女は現在看護師として働いているのですが、この日は、州や国が支援するワクチン接種のサポーターとして参加していたのです。話を聞くと、医療機関「LA Care」やUSC(南カリフォルニア大学)の看護学生などのボランティアもたくさん参加しているとのこと。ワクチン接種の会場はいくつもあるのに、まさかここで懐かしい顔に会うとは!「びびなびのコラムをいつも拝見していますよ!あの時星さんに出会わなかったら、私は帰国するしかなかったと思います。本当に感謝しています!」と声をかけてもらい、偶然の再会でしたが本当に嬉しかったです。

ドライブスルーでワクチン接種

今回のワクチン接種はドライブスルー形式。車から一度も降りることはなく、窓を開けて手続きと接種を行いました。接種は、巨大な5階建ての立体駐車場の屋上で行われ、15カ所の接種ポイントが設置してありました。予約した人は乗車したまま、運転免許証などで本人確認と、誓約書への署名を行います。その際、車のフロントガラスに受け付けが済んだ証拠として「R(Registered)」 という文字を水性ペンで書かれました。その後、ワクチンの担当者が来て腕に接種。フロントガラスに接種から15分後の時間を書き、そこで接種証明書を渡されました。接種後は、その場に5分間停車し待機。5分経ち何も問題がなければ終了です。本来は15分間の待機なのですが、駐車場の屋上から出口に向かうまでに15分以上時間がかかるので、何か問題があればクラクションを鳴らし、駐車場で誘導するスタッフが対応することになっているようです。受け付けからわずか40分後には終了という合理的なシステムです。

昨年、政府がPCR検査を受けるようにと国民に呼びかけた際は、近所の薬局などのドライブスルーで簡単にできるところも多く、いざという時は迅速に動けるアメリカの凄さを実感しました。一方で、日本に帰国した時、日本ではPCR検査ですら保険が効かず自費で1万円以上もかかると知りました。また65歳を過ぎた両親にPCR検査のために病院に行かせると、保健所に行くように言われ、保健所に連絡すると優先者の待ちが多いので両親は受けられないという回答でした。実際、私が日本に滞在した1カ月ほどの間、友人の中でPCR検査(自費なので受けたくないという理由でした)やワクチンを接種した人はゼロ。ちなみに、母の診療で実家に来てくれる看護師たちも、まだ1人としてワクチンを打っている人はいませんでした。アメリカと日本ではワクチン接種のスケジュールが異なるので仕方がないのですが、せめてPCR検査をしているかどうかを聞くのもなぜか申し訳なく感じてしまい、結局分からないままでした。そんな状況を見てきたので、余計にアメリカのシステムには驚きました。

ワクチンの副作用

気になるワクチンの副作用ですが、接種当日は普通通り過ごせました。日本に帰国すると2週間ほど時差ボケが残る私にはその方がきつく感じていました。しかし、甘く見てはいけなかった…。接種翌日のだるいことだるいこと。動きたくない、目すら開けたくない、何も食べたくないと、とにかくしんどい1日を過ごしました。副作用を甘くみてはいけませんね。しかし、3日目にはすっきりし、以降通常の生活に戻れました。ところが、その後ニュースを見てびっくり!JJ社のワクチンが血栓を引き起こすということで急きょ中止となったのです。ワクチン接種には、まだまだいろいろ問題がありそうです。

※ワクチン接種の内容は、4月上旬のものです。

予約者の確認を行うブース

予約者の確認を行うブース

コロナ禍の出入国 パスポートの期限切れや更新に注意!

息子はアメリカ生まれですが、21歳までは二重国籍が認められているので日本のパスポートを所持しています。次回の帰国には一緒に行こうと思っていたので、パスポートを確認したところ期限がすでに切れており、急きょロサンゼルス日本領事館に問い合わせました。領事館には電話で問い合わせしたのですが、とても親切で、事情を説明すると、私たちの状況をすぐ理解し細やかに対応してくれました。すぐに戸籍謄本や抄本の原本が必要だったため、日本の友人に委任状を送り原本を郵送してもらうことに。お願いしたその日のうちに、申請しDHLで送ってくれたので、週末をはさみわずか3日で書類を入手。原本が届くタイミングによっては、帰国する時期が最大4週間も変わるということだったので、本当に友人には感謝しています。コロナ禍でパスポートの更新がなかなかできないという話も聞くので、有効期限を確認し、早くから手続きをしておいた方がよいですね。

また、アメリカと日本では出入国時に必要な書類などが変わってきます。まだまだ新型コロナウイルスによる影響は続きそうなので、常に最新情報を確認しておいた方が良いと思います。

弊社でサポートしている看護学生の「アメリカ入国レポート」はこちら

※Zoom個人カウンセリングおよびセミナーについて

4~5月にZoomセミナーと質疑応答の開催を予定していましたが、このたび急きょ家族の都合もあり、延期することになりました。今のところ、6~7月をめどに日時を調整中で、決まり次第、本コラムでもお伝えします。

手続きする際に、マスクやワクチン接種を促すチラシなどが入ったお土産をもらいました。

手続きする際に、マスクやワクチン接種を促すチラシなどが入ったお土産をもらいました。

「実は注射も病院も大嫌い(笑)。注射を打った瞬間に、薬が血管を通っていくのを感じて変な気分になりました」

「実は注射も病院も大嫌い(笑)。注射を打った瞬間に、薬が血管を通っていくのを感じて変な気分になりました」

立体駐車場の入り口から屋上まで行くとスタッフが待機。そこでSさんとの再会を果たしました!

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車のフロントガラスには、手続きが済んだという印「R」の文字と、ワクチン接種後に駐車場を退出できる時間が水性ペンで書かれています。

車のフロントガラスには、手続きが済んだという印「R」の文字と、ワクチン接種後に駐車場を退出できる時間が水性ペンで書かれています。

新型コロナワクチンについて 現場アメリカ看護師の皆さんに伺いました!!

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コロナ禍の渡米について

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