2020年7月 コロナ感染者爆増!アメリカの医療業界最新事情

2020年7月 コロナ感染者爆増!アメリカの医療業界最新事情

2020年7月1日掲載

引退者や看護学生も動員?深刻なアメリカ看護師人出不足

州によっては、すでに引退している医師や看護師に現場へのボランティアを呼びかけるほどで、今後はさらに人材不足が予想されます。また看護学生にも大きな期待が集まっています。

アメリカの新型コロナウイルス最新事情
5月に起こった大規模な黒人差別抗議デモの影響もあり、アメリカの新型コロナウイルスの感染者数は、全米各地で爆発的に増えています。

新型コロナウイルスの影響は経済など多岐にわたっていますが、医療費もその1つで、特にアメリカでは、治療のため入院をしていた患者への医療請求額は驚くほど高額で、今後深刻な問題となりそうです。医療費に加えて、ここ最近よく聞く話は、健康保険料の値上げです。私たちにもその影響が出てきていて、比較的安い健康保険で、1人月額450ドル程度だった保険料が、現在一気に550ドルに上がりそうなのです。いきなり、保険会社から通達が来て困っている人も多いのではないでしょうか。

そんな最中、ロックダウンで3月から休校となっていたロサンゼルス市の小中高は、例年通り 8月半ばから開校されるという連絡が来ました。一方で、州立大学の一部、コミュニティーカレッジ、語学学校などは、秋学期、つまり年内いっぱいは、オンラインクラス開講の方針を示している学校も少なくありません。

しかし、ロサンゼルス郡内の准看護学校(LVN) は、学科をオンラインと座学を並行して再開しています。また、正看護師学校(RN) は、8月までオンライン授業で、9月からは通常の座学を開始する意向を示しています。つまり、看護学校のほとんどが、座学をオンラインで全て終了させ、実習は後で集中して行う方針を取っているようです。

引退者や看護学生も動員? 深刻な人出不足
このような状況で、州によっては、すでに引退している医師や看護師に現場へのボランティアを呼びかけるほどで、今後はさらに人材不足が予想されます。また看護学生にも大きな期待が集まっています。

今後、第2波も予想され、アメリカの医療業界で役に立ちたいという夢を持つ方からのご相談は引きも切らず、弊社は日々対応しております。日本に住む方からは、NCLEX 書類申請についてのご相談が多く、また、渡航時期に合わせた医療英語受講者のお申し込みが増えています。アメリカに住んでいる方からは、キャリアチェンジで医療業界へ進みたいという進路相談が増えています。ウイルスパンデミックを受けて、アメリカの医療業界は、雇用体制が変わりつつあり、日本人看護師たちがアメリカで看護師として活躍できる機会は増えていくと思います。

アメリカで活躍する日本人看護師・看護学生たちからのメッセージ

Mさん(カリフォルニア看護大学在学中)

撮影日:2020年6月24日  Mさんの体験談はこちら



Hさん(ニューヨーク看護大学卒業。現在 BSN 受講中、弊社で看護師永住権スポンサー中)

Nさん(卒業後OPT取得。現在、ニューヨークでRNとして勤務)

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メッセージ

現在、ナーシングホームで働いています。Post Acuteの患者さんから、Terminal の患者さん、Subacute の患者さんが入所しており、全200床程度規模の施設です。半数以上は、新型コロナウイルスに感染した患者さんで、働き始めて2週間ほどは、1日16時間も全身をカバーした PPE で働くこともありました。初日から、オリエンテーションなどはなく、いきなりの業務で手探りの中、周りのサポートを得て、学びながら日々働いています。主な仕事は、麻薬/内服/輸液管理、重度褥瘡ケア、経管栄養管理、異常バイタルの患者さんの観察/アセスメント/報告、そして CNA の Assignment です。

Nさんの体験談はこちら

スペシャルレポート

ロックダウンの最中、旦那が数年前と同じように再び緊急入院!コロナ禍での入院生活と、気になる医療費について、スペシャルレポートでお届けします。

大変だ!コロナ禍の緊急入院!

5月に入ってすぐの木曜日の朝9時頃、旦那の会社から「あなたのご主人がERに運ばれた!」という連絡を受けた。とにかく腹痛が酷く、痛み止めを服用してもダメだったのでということらしい。私は、3年前の心臓発作緊急入院を思い出した。「胸じゃなくて腹痛だったんですね?」と聞くと「激しい腹痛だった」と聞いて電話を切った。

その後、老眼鏡と歯ブラシ、スリッパと、小タオルを持って、即病院に駆けつけた。 通常なら、急患で運ばれた患者の家族は、IDと患者との関係が確認できれば病院内に入ることができるはずだが、今回は新型コロナウイルスの影響があり「どんな理由であろうと面談不可能」と断りを受けた。通常、ERに運ばれると、家族には6時間以内には患者の様子を伝えるために電話が来るもの。しかし、今回は電話連絡もなし、またこちらから電話をかけても旦那の様子を伺うことは不可能だった。もし、前回「ER体験!アメリカで入院するということ①~③」のような心臓による疾患での緊急入院だと思ったらいてもたってもいられなかった。

夕方4時過ぎても、折り返しの電話もなく、何の情報も得られないので、このまま家で待っていても無理だと判断し病院へ行った。いつもなら、ERの入り口にいる警備員にIDを見せると、すぐ受け付けに確認してくれるのだが、何にも伝える前から“No!No!No!入れないよ!”と即断られてしまった。近くにいて医療従事者らしい人に尋ねると、「新型コロナウイルスの検査したか?」と聞かれたため、していないと答えると、すぐさま体温を測られ、問題ないと分かると、その後ようやく話を聞いてくれるようになった。「急患でも家族も入れないので何か伝えたいことはあるか」と聞かれた。「このカバンを渡して欲しい」と伝えると「できない」と言われ、カバンの中身を見て眼鏡だけもって行こうとしたので「どんな様子か」と聞くと、ER受け付けに連絡し「搬送されてから少し落ち着いてきたので、まず入院し、新型コロナウイルス検査をしてそれからどうなるか分かる」という。「旦那が連絡できるようになったら、私にテキストするように伝えてほしい」と言付け、その日は帰宅した。

翌日の午前4時頃、旦那からテキストが来る。「新型コロナウイルスの検査結果で陰性を確認したら、そのまま手術をすることになる」とだけ書いてあった。新型コロナウイルス検査のため、2泊3日もかかるのか?その後、検査の結果、陰性が確認され、明日の午前中には手術すると電話があった。入院は3泊4日になったが、手術後も担当看護師からも、受け付けからも何の連絡もなく、退院の知らせも旦那の電話で知り迎えに行った。病院に着くと、入り口ではなく裏口に回れと言われる。その場で体温を測られ、マスクと手袋を着用すると、ようやく入り口を通してくれた。担当した看護師は、以前入院したときと同じで、そこでようやく旦那の様子を聞くことができた。看護師は防護服を着ており、ソーシャルディスタンスを取った状態で病状について説明をしてくれた。腎結石と尿管結石の両方に問題がありステントを入れた。

以前のERでの対応とは、まるで異なる緊急体制だと実感したのはこの時。退院後、旦那に入院状況を聞いてみても、新型コロナウイルスのせいで忙しいせいか、前回の入院の時とは対応は違っていたようだ。

ちなみに、旦那の手術が決まり、医師から当然事前に説明があると思っていたそうだが、実際には当日担当の看護師からの説明のみで、結局、手術後も担当医師とは会うことはなかった。正直、旦那がだらしないというか、何できちんと確認しないのか?というのが私の印象だったのだが、旦那曰く、痛みもあるし、医者も看護師も病院全体も忙しそうで、声をかけるのも悪いと思ったそうだ。手術の署名は痛みがあったその日にしていたそうで、もし私が患者だったらそんな状態では署名などしないと思った。医療関係の仕事をしているせいか、医療ミスも多々聞くし、外科手術の詳細を本当に患者に確認できたのかと思うし、家族として苛立ちが募るばかり。

さて、その後無事に退院はしたが、1カ月以内に、術後のチェックアップがある。その後、どうなるか様子見ではあるが、前々回はクリスマスの夜、前回は大晦日、そして今回はコロナ禍中。本当にタイミングが悪いというか、家族に迷惑をかける旦那である(苦笑)。この結石になるのは、ストレスの原因が多いと聞いたことはあるが、誰だってストレスはある!だから、あえて結石の原因が何なのかは聞くのは止めておいた。どうせ私がストレスの原因だと言われると決まっている(笑)。

とにもかくにも緊急手術を終え、レーザーで爆破させた石は体外に排出されただろうということで、ステントを取り外され、旦那は普通の生活に戻った。ひとまず安心…そうなると、早速脳裏をよぎるのは医療費だ。 気になる合計請求額は、なんと7万7.331ドル92セント!(内訳は、4月29日~5月2日:4万4,667ドル92セント、5月18日は 3万2,664ドル) もし健康保険が無かったら、この金額を自腹で払う羽目になっていたと思うと、改めてアメリカ高額医療が怖くなる。ちなみに、自己負担額は746ドルで、もちろん命や健康には変えられないが、これはこれで痛い出費だ。 そうは言っても、手術のおかげで、旦那は、通常の生活に戻ることができて本当に良かった。コロナ禍中とあって、ますます、健康が一番大切であることを考えさせられた一件だった。

ハリウッドエリアの病院で働く看護師Jさんと。このたびの旦那の緊急入院で担当していただき、大変お世話になりました。

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