RYOさん (3)  看護大学卒業を迎えて

RYOさん (3) 看護大学卒業を迎えて

2020年2月1日掲載

看護大学卒業を迎えて、看護学生をふりえってみました。

《プロフィール》
看護学校卒業後、昭和大学病院救急センターおよび日本大学病院救急センターにて、十数年間にわたり勤務。その後、2014年に留学のため渡米。2017年にアメリカで正規看護師になることを決意。

RYOさんの前回の体験談はこちら

看護学校入学時は、1年8ヶ月がとても長く感じていましたが、無事に卒業を迎えることが出来た今、人生で大きな経験を得れたことに感謝しています。

看護学を指導してくださった先生方、どんな時も手を差し伸べ救ってくださった学校スタッフの方々、そして看護を目指すと決めた日から星さん、リカさんは心の支えです。たくさんの方々に見守っていただき充実した学生生活を送ることが出来ました。

私の看護学生での経験を通して感じたことを、これから看護師を目指している方がアメリカ留学のイメージとしてまた、学生生活を満喫していただけたらと思います。

1. 看護学校

  • 入学から卒業までは6ターム(1タームは3ヶ月)に分かれています。この期間で決められた教科を自主選択制で受講していきます。必須科目と最低限取らなくてはいけない時間数は決まっていますが、自分の能力に合わせて選択できるため授業内容の密度を調整し授業に集中する事が出来ました。

  • クラスの生徒は全員同じ時期に入学、卒業とは限りません。入学から卒業まで個々で計画し行動するため自主性が重視されます。入学が同じクラスメートでも人を頼りきりの行動では危険が伴います。必要時は、必ずカリキュラム担当の方と情報共有し自己のプラン作成と修正を行う事と常に自己把握と行動責任を持つ事がとても大事です。

2. 看護実習

  • Nursing Practicums(病院やクリニックの施設での看護実習)とPopulation Health(予防接種、ホームレスセンター、など生活環境と健康の課外実習)の2種類の実習が組まれています。看護実習はクラス授業と課外実習がペアとなっています。日本では看護ケアとアセスメント中心ですが、アメリカでは看護師の立場は医師と同等とよく言われている様に、実習では患者アセスメントや管理・指導、診療補佐をメインに学びます。なぜなら、アメリカでは看護師以外にも看護助手、准看護師、専門看護師は必ず資格が必要とされます。このため、正看護師はすでに看護ケア技術を習得している立場であり、さらに高度の看護を必要とされる立場になるからです。

  • 実習は早朝から始まり、現地集合・解散になります。実習場所と内容も毎回異なります。この状況に加え、クラス授業もあります。実習中は時間の読めない移動に早朝開始、クラスのアサイメントと多忙な状況を経験します。このタームは特に体調管理と忍耐力が必要になります。そして、日本では経験出来ない豊富な課外看護を実体験します。

3. 授業とクラス

  • クラス・オンラインクラス・実習で授業構成されています。授業の進みは早くアサイメントもたくさんあります。特徴的なのは、各教科必ず個人とグループワークのレポートとプレゼンテーションがある事です。国が異なるため、グループワークは時に問題が発生することも多々あります。しかし、アメリカは人種や宗教を始め多文化の国です。色々な関わりから知る文化や習慣の違いや、ぶつかりながらお互いの良いところを尊重する姿勢を養うことが出来ました。また、人前で喋ることが苦手で、最後までプレゼンテーションが苦痛でしたが、先生も英語が第二言語、私たちの気持ちを体験しているからこそ、“発音も個性と同じで長所に考えていくのよ”と、プレゼンテーションでコミュニケーション能力の必要性と方法を学ばせてくれました。先生方がどう看護現場での言葉の壁を乗り越えたのか、どれだけの努力をしてきたかの経験談は心に響く励みとなっています。個々の意見交換を重要視されるアメリカではプレゼンテーションが大きな意味を持つためレポートとともに必ず実施されます。

  • クラス人数や国籍は時期と状況により異なります。クラスメートやクラスの雰囲気は先生と選択するクラスにより違いが大きいです。入学直後は慣れない環境と緊張、人間関係で学校に居るのが辛く感じた時もありましたが、時間とともに適応能力が身につきます。クラスメート全員が団結しているという雰囲気よりは、みんな自分の事に目を向けて目標に向かって努力して居る雰囲気の方が強く感じます。

4. 私の大切

  • 判断力:他国からアメリカで看護を目指し看護学校に入学します。不安な状況の学生の中ではたくさん情報が常に発信されています。多く情報収集するのが良い結果を導くのではありません。情報の正確性と必要性、そして適切な判断力に重点を向け情報に流されない様に注意していました。

  • 信頼関係:たくさんの友達より、たった一人の心から信頼して打ち明けられる存在。看護学生は想像以上に大変です。悩み、迷い、決断、次から次へと何かが起こります。やはり一人で乗り越えられるほど簡単には行きません。しかし、この存在が居るというだけで、困難も超えていけました。

  • 強い意思:アメリカでの生活と学業で心がいっぱいになってしまう時期があります。楽をして努力した人と同じ結果を得ていけないと思います。どんなに辛く、と遠回りでも正当に行動するべきです。後悔するならやらない。嫌な思いをするなら距離を置く。正当に行動していれば必ずそれを見ていてくれる人がいます。

  • 星さん:看護を目指すと決めてから星さんは大切な存在です。看護の道へのチャンスを与え扉を開いてくれました。学生生活中も、定期的に星さんに会いエネルギーとモチベーションを維持していました。それは、話をする前からいつも私の状況と感情をも汲み取ってくださっていて、進むべき道を光で導き続けてくださいます。私の立ち止まりそうな足も、星さんに会うことにより軌道修正して自信を持って歩み続ける事ができています。嬉しい事や新しい始まりの時はいつも笑顔で見守ってくれる一番大切な人です。   

学校生活の特徴的な一部分になります。新しいチャレンジ、たくさんもがいて乗り越えられたからこそ、充実した看護学生を送れたと感じられるのかもしれません。

看護のチャンスを受け取り、卒業は私にとって大きな達成です。そして、目標の一部経過にすぎません。これからも巡って来ているチャンスを自分のものに獲得していける様、困難に正面からぶつかって一つずつ乗り越えていきたいと思います。看護留学を目指している人、留学して頑張っている人、同じ目標を持つ同士として一緒に夢の現実に向かって頑張りましょう! 星さんへ 嬉しい時、私と同じくらい一緒に喜んでくれる星さん。辛い時、見えない努力でもちゃんと理解してくれている星さん。不安な時、そっと安心できる道を照らしてくれる星さん。私は星さんと出会う事が、人生の大きなチャンスだったと感じます。チャンスを手に歩み続ける事が出来ている今、負けない気持ちで目の前にあることを乗り越えていきたいと思います。そして、星さんの様に自分に正直に相手を思い信頼できる女性としての心を持ち続けて行こうと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

先生と。

先生と。

星さんと。

星さんと。

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