RYOさん (2)  日本での看護経験を活かし、さらにアメリカで新しいステップアップ

RYOさん (2) 日本での看護経験を活かし、さらにアメリカで新しいステップアップ

2019年5月更新

看護大学に在籍しているRさんの体験談

《プロフィール》
看護学校卒業後、昭和大学病院救急センターおよび日本大学病院救急センターにて、十数年間にわたり勤務。その後、2014年に留学のため渡米。2017年にアメリカで正規看護師になることを決意し、現在看護大学で学んでいる。

RYOさんの看護科編集までの体験談はこちら

Q. アメリカ留学の志望動機ときっかけを教えてください。

A. 留学を決意したのは、アメリカでも自立した女性になりたかったというのが正直な気持ちです。私は日本での看護経験を活かし、さらにこのアメリカで新しいステップアップをしようと選択しました!アメリカ生活もそろそろ5年を迎えようとしています。アメリカで過ごすなかで、常に外国人として扱われ、さまざまな権利や経験さえ認めてもらえないこともありました。また自分が行動したくても、滞在資格に伴う制限という大きな壁を乗り越えることができない状況をたくさん経験してきました。

Q. 看護学校編入前にやっておけばよかったこと、またはやっておいてよかったことはありますか?
A.看護学校に編入する前にもっとやっておけばよかったと思うことはたくさんありますが、やはり語学ですね。当たり前ですが、授業やプレゼンテーション、日々のコミュニケーションも英語の生活で、語学力は今も一番の悩みとなっています。逆に編入前にやっておいてよかったと思うことは、アメリカ看護留学さんの「医療英語」のクラスを受けたことです。今も授業時に、クラスで学んだことや自分が実施したプレゼンテーションの内容を思い出すことがあります。医療英語クラス受講は、看護学校の準備段階として良い経験であり、今でも使用したテキストや資料を活用しています。

Q. 看護学校に編入するまでに大変苦労されたと思いますが…。
A.
アメリカでの看護科編入を決めてから、編入までわずか数カ月間だったので、語学学校、医療英語クラス、看護学校編入の書類手続きなど、本当に大変でした。日々、文字通り一分一秒時間に追われ、一日をこなしていくのがやっとだったのです。現地のアメリカ人でさえ、看護科入学に何年も時間がかかる厳しい状況だと知っていたので、看護科入学のチャンスを与えられただけでも、感謝の思いでいっぱいでした。なので、今は大変なこともむしろ感謝と考えるようにしています。実際に感じたことは、アメリカで日本の書類を全て準備するのは、日本にいるよりも倍の時間と労力が必要だということです。

Q. 日本人がアメリカの看護学校で学ぶ苦労は何でしょうか?
A. これまで受講して来た教科で難しいのは薬理学で、実は日本でも同じでした。アメリカは世界の中でも、民族的に多様で、かつ多文化を持っている国です。苦手分野に限らず、どの分野でもアメリカの多民族・文化に対応した看護を求められるため、日本よりはるかに多くの知識を学び、吸収していかなければならなりません。日本でいくら看護経験があっても、このアメリカの特性を理解し対応するのは時に難しく感じます。日米で看護を心指す学生を比べてみると、さほど大きな違いはありません。けれどアメリカでは、特に学生は積極性と自分の芯をしっかり確立していると思います。そのため先生や指導者たちとも対等にデイスカッションを行います。正確な1つの答えを求める、もしくはただ指導するだけでなく、人として個人の意見を尊重しつつ、よりよい看護に導くための過程を共にお互いに真剣に学んでいると感じます。

Q. 普段の生活のスケジュールについて教えて下さい。
A.
 平日は、看護学校やオンラインでの授業の課題と勉強がメインです。授業がない日も、グループワークや自己学習のために学校や図書館にいます。週末は気分転換も兼ねて、勉強する時はカフェへ。イベント、パーティーやスポーツ観戦など、友人と過ごす時間を大切にしています。学校やアメリカ生活で友達になるきっかけは、席が隣になった、何度かすれ違い挨拶をするようになった、興味があり声をかけた・かけられた、実習で同じ病院になった、グループワークが一緒だったなど、ささいな出会いです。ただしお互い人間ですので当然相性もあります。友達になる時は自然にそうなると思うので、私は友達ができるまであえて努力したことはありませんが、いつも自分らしくいることを心がけています。

Q. 日本とアメリカの看護師の違いを感じることはありますか?
A. アメリカの看護は、役割別にいくつもの職に分類されており、看護師という一括りではなく、各看護職(RN、LVN、CNS)が、それぞれの役割を「スペシャリスト」として、責任をまっとうし行動しています。それに加え、各看護職が連携を取り合っているので、個々が独立するのではなく、全体として成立しています。 アメリカでの看護科実習は、1つの病院での実習ではなく、いくつかの病院毎に看護分野が異なっており、例えば朝から午後まで、計9時間の病院実習を行います。実習では、RNだけではなく、LVNとも実際の看護師の役割を実践するという経験もしました。看護科実習では、患者さんと看護師、医療従事者のとの関わり、アメリカの病院の様子など、学校では体験できないことをたくさん観察し学ぶことができました。

Q. 今後の目標・予定・抱負などを教えてください。
A. アメリカの看護大学で学ぶなかで、日本で思い描いていた看護との違いに、ふと本当に自分がアメリカで看護師になれるのか?看護師となった時に役割を果たせるのか?と不安と怖さを覚えることがあります。もちろん看護師を目指す気持ちに変わりはありません。しかし、一歩進むと同時に「アメリカの看護師」の深い部分を知り、自分が乗り越えていく壁の大きさに自信が揺らぐ瞬間があるのです。そんなときは、家族や友人の存在の偉大さを再確認することで、精神的そして肉体的な面でも強く気持ちを維持できるようになりました。今後の目標は、看護学校卒業とRNとなること。やるしかないです!看護大学卒業最終タームを迎え、卒業に向けて前進するのみ!

星さん、りかさん、引き続きよろしくお願いいたします。

学校の休憩時間にクラスメイトと。

学校の休憩時間にクラスメイトと。

クラスメートと遊んでます!

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アメリカでも仲間と女子会を開催しています。

アメリカでも仲間と女子会を開催しています。

星宣子から

RYOさんに初めてご連絡を頂いたのは、2015年12月。当時、語学学校で英語を受講して約半年とおっしゃっていましたが、その後、ご連絡が途絶えてしまいました。そして1年後。「あれから一切連絡せず、本当に申し訳ありませんでした。私もアメリカで看護師になりたいと思っています。ぜひ、もう一度カウンセリングを受けたいのですが可能でしょうか?」と、突然ご連絡を頂きました。私はすぐに「もちろんです!費用工面はもちろんのこと、心の準備も非常に重要だと私は考えているので、時間が空いてもどうぞ気にしないでください」と返信し、再度連絡をいただけたことを嬉しく思いました。

看護科に入るためには、まず書類を揃えることから始まります。次に私たちがお勧めしているのが、医療英語クラスの受講。RYOさんは、医療英語クラス受講を受けてから看護科編入を目指したいと、NCLEX書類申請代行と同時に、クラス受講にもお申し込み頂きました。その後、特に問題もなく、スムーズにNCLEX書類審査を通り、念願だった看護科に編入し、現在、卒業まで半年を切ったところです。今、NCLEX合格に向けて猛勉強されています。

私は、アメリカ看護留学サポートの仕事をしてきて、渡米後、看護科編入前に語学学校のみで学んだ人は、それなりに語学力が向上するものの、医療分野の専門用語クラスを日本で受けたきた人たちに比べると、アメリカで医療英語クラスを受講したり、看護科に編入したりしたときに、悪戦苦闘するケースが非常に多いと感じています。すでにアメリカで数年暮らしているのにもわらず、予想以上に医療英語の難しさと現役看護講師陣から受けるプレッシャー、そして授業時の会話の速度についていけず、自信をなくし、授業欠席や医療英語クラスを途中で退席。最悪の場合、本帰国する人も多いのです。

そんな経験から、正直、RYOさんに対しても不安がありました。実際、RYOさんと同時期に医療英語クラスを受講した他国の看護師は、終了後に自国に帰ってしまったのです。しかし… RYOさんに関してはすべて杞憂に終わりました。
看護科編入後も、RYOさんのサポートは続き、ターム毎にRYOさんとオフィスやときにランチミーティングを行ってきましたが、いつもざっくらばらんに楽しくお話ししています。先日、RYOさんが一時帰国し、ご家族や看護師時代の元同僚たちと、とても良い時間を過ごせたと伺って、私もとても嬉しくなりました。困難を前にしても「何をどう判断し、どう動くか!」と考え実践していくRYOさん。これからも応援しています!

HYさん いよいよ渡米、TOEFL受講と・医療英語学習を同時進行で進める

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Hitomiさん (2)  渡米し、医療英語講座を受講して

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