Kaoriさん 日本での正看護師経験をいかして

Kaoriさん 日本での正看護師経験をいかして

2011年7月1日掲載

日本での正看護師時代

私は、日本で正看護師として大学病院や私立病院などで約15年勤務していました。看護師の本質的な役割や専門職としての独立した機能が確立されておらず、看護師としての立場があいまいに感じることが多々ありました。実際に行う看護の領域が広いために、多忙な日々の繰り返しで、専門的な知識を発展させる機会に乏しい環境でした。病院からのサポートも全面的に少なく、研修の希望やその為の休暇さえ取る権利が尊重されていない状況でした。もっと看護師が専門的な知識と経験を生かし、チームの一員として、医師らとより対等に扱われるべきではないか?と疑問に感じていたのです。

そんな悶々とした日々を繰り返している中で、改めて「看護」とは何かを考えるようになりました。日本以外の国の看護制度について調べているうちに、アメリカでは看護師が専門職としてより確立され立場的に認められているということを知りました。徐々にリサーチを重ねていく上で、制度が整っているアメリカで実際に看護師として働いてみたいという夢を描くようになりました。米国看護師資格試験(NCLEX)という試験があることを知り、まずはNCLEX試験に合格する!という明確な目標が生まれました。

渡米して

ここロサンゼルスには多くの大学や語学学校があり、沢山の留学生が自分の夢や希望をもって渡米し勉学に励んでいます。語学学校に通いながらもその人達のエネルギーを感じる事で触発され、自分の可能性と夢に向かって前進する勇気が湧いてきました。

しかし、現実は思い描いていたよりずっと厳しく、日本で英会話の勉強をしていくら準備万端だったとしても、実際はアメリカに住んでみないとわからなかったことが沢山ありました。自分の情報不足や英語でのコミュニケーション不足により苦い体験もしました。アメリカで合法的に働くためにどのような条件が必要なのかを人づてに聞き、そのまま鵜呑みにしたり、偽りの情報を自分で確かめもせずに正しいと思い込んだり、英文での理解を十分にしないまま、大事な情報に気づかずにいたりしました。特にビザや試験に関しての情報は曖昧な事が多々あり、確かな情報を得ることが難しく、どこで誰に相談したらいいかもわからない状態でした。また、どれだけ自分が努力を重ねても、移民であることやビザの問題で乗り越えられない壁があることを痛感し、正直あきらめかけていたときもありました。それでも諦めずに多くの学校に足を運び納得するまで十分に話を聞いてまわりました。そんな経験があってこそ得たものもあります。嘘の情報を見分けれるようになったり、人から聞いた情報は必ず自分で(学校のカウンセラーに聞いたりして)確かめること、そして誤って違法のステータスにならないために十分注意する事などです。

結局、アメリカに来て強く感じたことは、他力本願では確実なチャンスはつかめないということ。自分ですべての責任を持って、経済面でも精神面でも自身の生活を支えていかなければならないし、遊学にならないように気をひきしめて勉学に励むことも必要です。

特に医療系への進学はお金がかかります。自分の責任は自分で取るという責任感をもっていないと、周りや環境に流されてしまうので、それを十分理解した上で留学に臨んでほしいと、これから来る看護留学する方へのエールとして記しておきます。

私は幸運にもアメリカ看護アドバイザーの星さんと出会い、キャリアの道を開くことができたのですが、この学校に通うと決めた理由は、「必要な情報、正確な情報をきちんと伝えてもらえたこと」でした。「きちんとした証明や確かな実績のある学校に行く」という安心があってこそ、試験勉強にも集中して取り組むことができました。また、学校で地元の学生達と一緒に学んだり、病院での実習体験を積むことができたのは、それまでに自己学習してきた時よりも、もっとNCLEX試験や実際の仕事への自信につながりました。

卒業後とこれから

留学生なので、英語での勉学は相当な努力が必要でした。日々の勉学にも人並み以上の努力をし、きちんと授業・実習に出席し試験の成績を落とさずキープするようにしました。それにより、試験に必要なSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)、そして労働許可証をもらえた事は自分の努力による達成感や試験合格への確信につながりました。昨年学校を卒業し、念願のNCLEX試験を受験、3週間後NCLEX試験合格の通知をもらった時の感動と喜びは、言葉では言い表すことができない程のものでした。今はLVNの資格を得て、看護師として働いています。看護師や医師などの役割がしっかり区別されているアメリカの看護は、医師と対等な役割として働く分、責任重大ではありますが、それ以上にやりがいを感じています。

現在は、星さんから紹介をして頂いた、Home Health CareでCare Manager として採用されスポンサーシップを貰い、OPT終了後、先月、H-1Bとして合法的に働く許可を頂きました。今後は一層アメリカでの看護師の経験を積んでいきたいと思います。この経験こそ自分にとって重要であり今後のキャリアアップへのステップになると確信しています。これからRNの試験を受ける為にも働きながら試験勉強も続けていく予定です。日本人の看護師としてよりきめ細やかで献身的な看護をここアメリカで活かしていきたいです。今まで支えてくれた学校の先生、クラスメート、家族、友人に感謝し、何よりも入学時のカウンセリングから就職斡旋、ビザスポンサーまでお手伝い頂いた、星さんにお礼を兼ねて、自分が学んだことを世のために継承していきます。

★看護留学を希望される皆さんへ★

日本から留学する前の段階では、事前に確認する手段が少ないため、つい言われたことを鵜呑みにしてしまいがちです。不安要素があるのであれば、十分にアドバイザーと相談される事を進めます。そして、英文書類等をしっかり理解したうえで、プログラムに申し込む必要があると思います。

★アドバイザー星から★

Kaoriさん、H-1B取得おめでとうございます!
スポンサーから無事、合法的に働くことが出来るビザ申請の許可がおりましたね。これからも、日本での看護師経験を生かしながら、アメリカで活躍して行くことを応援しております。

「まずは、ご家族にこれがH-1Bだぞ!」と見せてあげて下さいね。安心すると思いますよ。

Erikoさん 40代未経験で看護分野に向かって前進するパワフルママ

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