A. Y. さん オーストラリア看護留学・看護師就職事情と米国への挑戦計画

A. Y. さん オーストラリア看護留学・看護師就職事情と米国への挑戦計画

2020年8月15日掲載

A. Y.さん プロフィール

日本の大学在学中、実践的な英語を勉強したいという気持ちと、医療関係の仕事に就きたいという思いを両立させるため、海外で看護師になることを決意。卒業後すぐに渡豪し、語学学校を経て、看護学部に2年次編入する。昨年、家族の介護のため休学。2020年4月に復学予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡豪できなくなったため、日本でオンライン授業を受講中。


私は現在、看護学生としてオーストラリアの大学に在学しています。今回、星さんにアメリカ看護留学についてご相談するに至った経緯をお話したいと思います。

私は2017年に、日本で大学を卒業し、渡豪しました。語学学校を経て、晴れて看護学部に2年次編入したのですが、今は行く先に不安を感じる毎日を送っています。というのも、私を含めた留学生の多くは、看護師として就職するのが大変であるという現実に直面しているからです。日本で看護師として働いた経験があれば、就職口は幾分見つけやすいようですが、私は日本において看護師ではありません。オーストラリアに留学する前に、大学で勉強していたのも生物関係でした。

現在、私が在籍している大学がある南オーストラリア州の看護学生は、最終学年になると様々な病院が募集をかけているTransition to Professional Practice Program(TPPP)for Registered Nurses(RN)というものに応募します。ほとんどの学生にとって、これが最も重要な就職活動となります。TPPPは新卒のRNのための研修プログラムで、これがその後のRNとしてのキャリアに直結します。TPPPを修了していない新人看護師を雇う病院はないに等しいからです。(日本において看護師としてのキャリアがある場合は別です。)オーストラリアのRNの最低賃金は、経験年数によって法律で定められており、TPPPの場合はRN1年目としてのお給料がもらえるようになっています。

しかし留学生がTPPPに応募した場合、内定をもらえる可能性はほとんどないようです。病院側はオーストラリア国籍を持つ者、永住権を持つ者を優先して採用します。わざわざ手続きの面倒なビザのスポンサーになってまで、留学生を雇ってくれる病院はほとんどありません。

以前、看護学部の先輩から、留学生という立場でもTPPPに合格した人の話を聞きました。その方は中国系の男性で、大学の成績も非常によく優秀で、話を聞く限りではとても外向的な性格のようでした。オーストラリアではアルバイトを探すのにも、就職先を探すのにも人脈が必要不可欠です。そもそも履歴書に、自分が信頼のおける人間であるという証明をするため、2人のReferee(推薦者)にお願いをし、彼らの連絡先と職業を書かなくてはなりません。ですから、その方のように成績優秀で、多国籍・多人種国家のオーストラリアにおいて、就職に有利な人脈を広げることができる非常に高いコミュニケーション能力を持った人であれば、TPPPに合格することもできるのかもしれません。

ですが、ほとんどの留学生は在学中にTPPPに合格することはできないため、TPPPに合格できるように大学卒業後も長い時間とお金をかけて努力しなければなりません。多くの留学生は、大学で勉強している間に、介護施設等でケアワーカーのアルバイトを見つけて働き始めます。この医療機関・介護施設でのアルバイトが、就職活動時にとても大切になるのですが、私は結局、アルバイト先を見つけることができていません。オーストラリアの看護学生は2年次の実習で、介護施設に行くことが多く、そこで歓迎されてそのままその施設でアルバイトを始めるケースが多くあります。ところが、私の場合は介護施設で実習をする機会がありませんでした。(オーストラリアの看護学生は、多少の融通は聞くものの、ランダムに実習先を割り当てられます。)自力でアルバイト先を探してもみましたが、ケアワーカーを募集しているのは車がないと通勤できないような場所にある施設がほとんどで、車を買うお金がない私には非常に不利な状況でした。オーストラリアでは、現地の大学生が車を持っているのは当たり前で、よほど都心でない限り、車がないと買い物に行くのでさえ大変な土地柄です。留学生は車を持っていないケースが多く、それだけでアルバイト探しはさらに不利になります。RNやケアワーカーを派遣するエージェントに登録しようと応募もしましたが、結果は全て不採用でした。私は大学卒業後すぐに渡豪したため、何の職歴もなく、そのことも大きく影響していたと思います。日本で看護師・介護士としての経験があり、オーストラリアで車を購入できる人は、すぐにアルバイト先が見つかるはずです。就職先を紹介してくれるような知り合いがいれば、尚いいと思います。

話を戻します。留学生は大学を卒業し、学生ビザの期限が切れる前に、Temporary Graduate visa (Subclass 485)の申請をします。これはオーストラリアの大学等に2年以上在学していた学生に与えられるものです。日本の四年制大学を卒業している看護師は、オ-ストラリアの看護学部に編入し、1年で看護師になることができるため、大学卒業後はワーキングホリデービザ等を申請したり、大学院等に進学して、さらに勉強した後でGraduate visaを申請したりするようです。いずれにしろ、卒業後にオーストラリアで働く場合、就労許可付きのビザを取得しなくてはなりません。

卒業後にビザを取得したら、介護施設でのアルバイトを続けながら、永住権の取得を目指します。RNは永住権を取得しやすい職業だと言われていますが、留学生の多くはRN登録をする際に必要な英語力の証明で躓きます。オーストラリアでRNになるにはIELTS7.0以上(またはそれに相当するもの)を取得しなくてはなりません。日本やアメリカのような国家試験はありませんが、大学を卒業して何の苦労もなくRN登録をできるのは、アメリカやカナダ、イギリス、ニュージーランド等の英語圏で義務教育を修了している人たちだけです。日本人を含め、それ以外の人たちは英語力の証明のためにIELTS、PTE、OETのいずれかを受験し、一定以上の点数を取得しなくてはなりません。これは日本で看護師免許を取得している場合も同様です。私の友人の1人は、在学中にPTE65点以上を取得し、卒業後はスムーズにRNとなることができました。しかし大学卒業後、2年かけてようやくPTE65点以上を取得し、Graduate visaの期限が切れる数ヶ月前にようやくRN登録ができた友人もいます。試験との相性もありますから、こればかりは人それぞれとしか言いようがありません。

英語試験を突破したら、Australian Health Professional Regulation Agency(AHPRA)にRN登録をします。この手続きには約3ヶ月かかります。無事、RNとしての登録が完了したら、Graduate visaの期限が切れる前に永住権の申請をしなくてはなりません。永住権の申請には30万円以上の費用がかかります。エージェントに書類作成を頼む場合は、さらにお金がかかります。もちろん自分で必要書類を集めて申請することも可能です。オーストラリアの永住権申請はポイント制で、年齢や学歴、職歴、英語力等に応じて、点数が加算されていきます。例えば、RNとなった留学生の多くが申請するSkilled Independent visa (Subclass 189)の場合、65ポイント以上が申請時に必要となります。このビザの場合、かかる費用は約30万円で、申請してからビザが下りるまでの待ち時間は13~14ヶ月となっています(2020年6月現在)。費用は年々値上がりしており、ビザの待ち時間は人それぞれです。私の友人は自分でビザ申請を行いましたが、途中で書類に不備が見つかり、ビザが下りるまでに2年かかっていました。一方で、ほんの3ヶ月程度でビザが下りた友人もいます。

RNとなり、永住権を取得したら、ようやくTPPPに応募します。TPPPは卒業して数年経っていても、応募が可能です。ですが優先されるのは、やはりオーストラリア人です。留学生は応募する人があまり多くない地方の病院のTPPPに応募する場合が多いようです。そこでTPPPを修了すれば、その後の就職口が大きく広がるので、地方に行きたくない人でもこの期間は我慢して働きます。そしてTPPP修了後、職場の人の推薦等を受けて、改めて就職先を探していきます。私自身は聞いたことがありませんが、TPPPでの評価が悪いと推薦を受けられず、他の病院で雇ってもらえない場合もあるようです。

オーストラリアの外国人看護学生の現実はこのような感じです。長い説明で、わかりにくくなってしまったので、ここにざっくりとした流れをまとめておきます。

大学在学中: 病院や介護施設でアルバイト
RN登録のため、英語試験(IELTS/PTE/OET)を受験
大学卒業前: 卒業後に働くため、就労許可付きのビザを申請
英語試験をパスしたら、RN登録申請(卒業数ヶ月前から事前申請ができます)
大学卒業後: ビザが下りたら、アルバイトを続けながら、永住権申請
永住権取得後、TPPPに応募・就職

時間とお金はかかりますが、根気強く真面目にやっていけば、RNとして働くことができるようになります。ですが、オーストラリアで看護師として働くメリットとデメリットを計算すると、私にはどうしてもデメリットの方が少しだけ大きいような気がしています。オーストラリアで看護師をするメリットは、ほぼ残業がないことです。私が実習中に残業する看護師さんに出会ったのは1度だけです。ただその看護師さんは、その病棟で働いている看護師さんが欠勤し、代理で派遣されてきた方だったので、その病棟の仕事に慣れておらず、仕事に時間がかかったというのが残業の理由です。日本の看護師のほとんどが残業をしていることを考えると、大学付属病院のようなところでも残業をしないオーストラリアの看護師はとても魅力的なのですが、いつでも言葉と文化の壁が存在しているというのは、想像以上に大変なことです。残業がどうしても嫌だったり、オーストラリアに家族がいたりする人でなければ、日本で看護師をしていた方が、安定した生活を送れるような気がします。ちなみにお給料にほとんど差はありません。

ここまでオーストラリアの看護学生の状況について書いてきましたが、ここからは私自身のことについてもう少し踏み込んで書こうと思います。私は2019年8月、あと半年で卒業という時に休学しました。その1年前、祖母が認知症になったため、あとどれくらい私のことを認識してくれるかわからない、認識してくれている間に一緒に過ごす時間がほしいと思い、実家に戻ることを決めました。オーストラリアにいる友人は、ほとんど全員、私が休学することに反対しましたが、私は休学をして本当に良かったと思っています。就職への不安から精神的にまいっていた時期でもあったため、休学したことで心身ともにリフレッシュすることもできました。

復学予定は2020年4月だったのですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で飛行機が全てキャンセルされ、私はもう1年日本にいることになりました。さらに時間的余裕が生まれたことで、かねてから興味を持っていたNational Council Licensure Examination for RN (NCLEX-RN)の受験について調べ始めました。NCLEX-RNに興味を持ったきっかけは、オーストラリアの大学の授業・勉強スタイルが、私にはどうにも合っていないと感じたことです。2年次編入ということもあってか、解剖学や生化学、微生物学など基礎的な授業がなく、授業は実践的なものばかりです。成績はレポートやプレゼンテーションの出来次第でつくため、知識量を試すようなテストはほとんどありません。私の妹は日本の看護学部4年生なのですが、彼女と比べるとどうしても基礎知識に差があるように感じられます。何より実習に行く度、私は自分の知識のなさが怖くて仕方ありませんでした。そこで日本の看護師国家試験の勉強をしようかと考えていた時、ふとNCLEX-RNのことを思い出しました。NCLEX-RNの勉強をすれば、私の知識不足も少しは解消され、英語の医療用語の蓄積もできると思ったのです。そうして調べ始めて見つけたのが「Hoshi World Inc.アメリカ看護留学」のNCLEXに関するページでした。

そのページを一通り読んだ後、ホームページを見てみると、アメリカ看護留学を専門にサポートをしている会社が運営しているウェブサイトだということがわかりました。私はオーストラリア留学前、卒業後の進路で悩み、アメリカで看護師をしていた方のところに相談に行ったのですが、その方は「アメリカで看護師になりたいといっても、グリーンカードがないと就職先がないので、大学も入学を許可してくれないだろう」と仰っていたので、アメリカ留学を断念していました。しかしHoshi World Inc.でサポートを受け、アメリカで看護師になった方々の体験談を読み、本当にアメリカで看護師になれるなら挑戦してみたいと思うようになりました。

どういったサポートをしているのか興味を持ち、サポート内容についてのページを見た時、半ば直感で「このエージェントはきっと信頼できる!」と思いました。アメリカで看護師として働くには、永住権の取得と、就職するにはコネクションが大切という趣旨の内容が、オーストラリアのそれと酷似していたからです。ほとんどの留学エージェントは、大学に入学するまでをサポートするものであり、永住権と就職のサポートをしてくれることは、ほぼありません。ですが、現地でしっかり就職して働くということこそが、看護留学の本来の目的のはずです。アメリカの大学に行って看護師になったけれど、就職できなくて日本に帰らなければならなくなったとしたら、多くのお金と時間を無駄にすることになります。

正直なところ、オーストラリアに留学する前の私だったら、就職までのサポートにかかる費用に目を回して、ブラウザを閉じていたと思います。ですが、私はその費用を払ってでも、アメリカで看護師になるメリットは大きいと感じました。そこで早速メールを送り、星さんとの個人カウンセリングをお願いしました。あらかじめ質問を考えてカウンセリングに臨んだのですが、星さんは私が事前に送ったメールをしっかり読んでいてくださったようで、私が必要としている情報をあっという間に教えてくださいました。おかげで、アメリカ看護留学をするために、私がすべきことが明確になりました。せっかくなので、カウンセリングを通してはっきりした、アメリカ留学前に私がやらなければならないことをリストアップしておこうと思います。

  1. NCLEX-RNを受験するため、足りない単位を補う授業を受けられるか、アメリカの大学に問い合わせ(ポイント:Social Security NumberとOptional Practical Trainingを出してくれるかどうか、General Educationの科目を取らなくてはならないのかどうか)

  2. オーストラリアの大学卒業(2021年12月頃)

  3. オーストラリアの看護師免許取得(2022年3月頃)

  4. 1で大学を見つけられない場合、日本の看護専門学校を2022年1月に受験・進学

  5. 2022年4月、日本の看護師国家試験受験資格認定の申請もしてみる(通ればラッキーくらいの気持ち)

  6. 日本の看護師免許取得(看護師国家試験受験資格認定後または看護専門学校卒業後)

  7. 貯金!!!

これだけのことを渡米する前にするとなると、最低でも3年はかかります。私はオーストラリアの大学卒業後は、奨学金の返済もしなくてはならないため、大きな経済的な負担もあります。ですが、今まで積み重ねてきたものを活かしたいと思いますし、努力次第でアメリカの看護師として働けるようになるのなら、諦めず焦らず地道に進んでいこうと思っています。

カウンセリングを通して、星さんがポジティブでエネルギー溢れる方だとわかり、この方なら就職するまでのサポートをしっかりしてくださると確信することもできました。自身の留学経験から、海外暮らしは身体的にも精神的にも強くないとやっていけないということが身に染みているので、生命力に満ちた星さんになら安心してサポートをお願いできると思いました。星さん自身がカリフォルニアでの基盤をしっかり築き、そのベースがあってこその留学サポートなのだとわかったのも大きかったです。信頼できる方に出会うことができ、本当に嬉しく思っています。星さん、とても実りあるカウンセリングを、どうもありがとうございました。現状を考えると、渡米できるようになるまでどうしても時間がかかってしまいますが、どうか今後ともよろしくお願い致します。

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