AZUSAさん (4) アメリカで准看護師になるには? LVNの 実習について

AZUSAさん (4) アメリカで准看護師になるには? LVNの 実習について

2021年4月15日掲載

AZUSAさんの前回の体験談はこちら

アメリカで准看護師になるには??

私は、アメリカで看護師を目指したので日本の看護師さんとはアメリカで看護師になる道のりが大きく異なると思います。そんな私が感じてきたアメリカ看護留学体験談が参考になればと思います。

今回は、アメリカ現地の LVNの 実習について書きます。

私の看護学校では、1ターム3ヶ月で卒業までに4タームありました。そして、全てのタームに実習がありました。

1ターム目

CNA(Certified Nursing Assistant)について、食事の介助やベッドメイキング、排泄介助などを行いました。ご老人でもとにかく体の大きなアメリカ人ですので、1人での仕事はできません。チームワークが大切になります。この1タームが終わるとLVNの前に取りたい生徒はCNAの資格取得試験を受けられるようになります。

2ターム目

ナーシングホームでの実習でした。ここでは、投薬、インスリンの投与、経管栄養の管理、皮膚の手当てをチャージナースの監視の元、直接患者さんへの医療介入を行いました。投薬やインスリンは針を扱う事がありますので、十分に注意が必要です。ナーシングホームでは、認知症を患っている人が多くおりますので、医療介入はとても難しかったですが、チャージナースのお手本に感動しました。

3ターム目

産婦人科、小児科でした。私は将来は小児科に行きたいので、とても、気合が入りました。実際医療の世界での小児科は思い描いていたものよりも、壮絶でした。深刻な栄養失調や、生まれもった障害など、心が痛くなる場面もありましたが、大人とは違い、投薬の計算を毎回行うこと、体重の増減、排泄回数など細かいことに注意を払いながら、医療介入をしなければなりませんでした。小さく細い腕で、血圧を測るのは苦労しました。産婦人科では、小さな命が生まれる奇跡、お母さんの健康と赤ちゃんの健康の大切さを教わりました。実際に、超音波検査を教えてもらったり、赤ちゃんの心音確認、お母さんへの栄養指導などを行いました。

最後のターム4では総合的な実習でした。

チャージナース一人につき2人生徒がついて、実際に、朝は食事の介助をし、午後は血圧測るところからはじめ、投薬、医療記録、褥瘡手当を2人で助け合いながら行いました。これで良かったのかという判断を自分でしなければいけないので、この判断で人の命を危険にさらすわけですから、毎回冷や汗でした。特にインスリンは1unit違うだけで、患者さんの容態は変わってしまいます。私の場合は、どうしても1人でチャージナースにつきたかったのでお願いして、あえて厳しいチャージナースにつかせてもらいました。

実習中は厳しくて、言葉もきつくて泣きたくなる時もありましたが、最後には認めてもらえました。RNは日本でいう正看護師の仕事というよりも、スーパーバイザーとして、施設全体の管理を行っています。

私たちLVNの判断では決めかねることをRNが判断して、状況を決めていきます。RNの実習は、私たちLVNの指導や、リーダーシップとして、正しい判断をするための状況問題解決の実習が多かったと思います。

実習を通して感じたこと

LVN、RN関係なく患者さんの現在の状態や、既往歴、アレルギー、家族の既往歴など看護師として知らなければならないことが多いということです。常に時間に追われる仕事でありながらも、ベテランナースのように、ある程度の患者さんの薬を覚え、正確に投薬できるような、また患者さんの少しの体調の変化も見逃さないようなスーパーナースになりたいと思いました。人の命を扱うというのは責任が重く、看護師というのはとても難しい職業だなと痛感いたしました。私なんかが本当に看護師になれるのかどうか悩んだ時期でもありました。

アメリカの医療現場で働いてみて

実習で学んだことは役に立っていますが、やはりチャージナースとしての責任は重く最初の方は、慣れるまで精神的、肉体的にもしんどく自分自身もよく体調を崩していました。患者さんの容体は時として思わぬ時に急変します。その時には、迅速かつ正しい判断をしなければなりません。また、医師との電話のやりとりの際には、患者さんの詳しい容体、現在飲んでいる薬、アレルギーなど正確に伝えなければなりません。うまく伝わらないと電話を切られたりします。これには、落ち込んだことも何回もありますし、また患者のご家族にも連絡しないといけないので、心配するご家族には言葉を選ばなければなりません。

今でも、電話越しで怒鳴られたりすることはよくあります。いっぱいいっぱいになって、何度もトイレに隠れて泣いたり、そんな私を見て同じフロアで働く先輩ナースが慰めてくれた時もありました。いつもその時に、なぜアメリカに来て看護師をやりたかったのか、その度に初心に戻ります。いつも応援してくれてる両親のこと思いながら、また頑張ろうと自分に言い聞かせています。

仕事をしていると悲しい、悔しい、辛いとネガティブな気持ちになることのほうが多いですが、一つだけ言えることは、自分が確実に成長しているということです。看護学校の時よりも、仕事を始めたばかりのときよりも確実に成長できているなと実感したのは、長年RNスーパーバイザーとして働くナースに褒めてもらえたときです。いつもは迷惑ばかりかけていますが、“Good job, Azusa!!”と言われた時は本当に嬉しかったです。まだまだ、看護師として経験不足ではありますが、これからどんどんスキルをあげて、いつかは頼れるナースになりたいと思っています。

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Karenさん ハワイで看護留学中

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S. T. さん (4)  アメリカ看護学生生活も1年を過ぎ、ターム3終了しました!

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