アメリカで働きたい!~永住権獲得を視野に入れた留学準備~

アメリカで働きたい!~永住権獲得を視野に入れた留学準備~

2020年11月15日更新

「留学」と「就職」は叶えられるの?

夏に開催した「Zoom」セミナー(レポート 1 レポート 2)を通し、改めて、アメリカで看護師になりたいというご相談者のほとんどが、将来的に永住権などの就労ビザの取得を希望しているということが分かりました。看護留学は、語学や学位を取得するという一般的な留学とは異なり、アメリカの医療分野で働くための資格を取得するということです。そうなると、やはり最終的な目標は、アメリカで合法的に働きたいとなるのも当然のことだと私は思っています。

しかし、現実には、就労ビザを取得することは容易でなく、以下のような謳い文句を信じてしまう人が後を絶ちません。

「アメリカの看護師資格を取得すれば、スポンサー探しは簡単です!」
「高いお金を払えば永住権を取得できますよ!」
「アメリカで働くためにはエージェントは必要ありません!」

今もなお、SNSに載っているこのような情報を信じて渡航してきた日本人看護学生から相談を受けることが多々あり、特にコロナ禍では増える一方です。ご相談をいただくたび、私はとても悲しくなります。せっかく夢を叶えるために準備をして渡米してきたのに、謳い文句とはかけ離れた厳しい現実にぶち当たり、とても後悔している人たちが大勢いるのです。

看護職は、アメリカでもベスト5に入るような高収入で安定した職の一つですが、その分、資格取得までの道のりも長く、アメリカ人でも何年もかかってようやく資格が取得できるほどです。そんな状況下で、病院や医療施設が、海外の看護師だけ、しかもビザスポンサーというとても厳しい審査を承知の上で簡単にスポンサーしますなどと、虫の良いことをいうことがあるのでしょうか? 時間をかけて、書類提出や雇用に関する書類など全ての手続きをしてくれるのでしょうか?病院や医療施設は、時には経営のリスクを負ってまでビザスポンサーをしなければならないこともあるのですから、普通に考えれば、就労ビザ取得は簡単にはいかないことが分かるはずなのです。しかし、多くの日本人留学生が、看護師資格を取った後で、就労ビザについて考え始める人が多く、そしてそれを取得することが難しいことを知って驚きます、もし、OPT期間は勤めることができても、期限が切れてしまえばそこで終わりというケースがほとんどです。

永住権取得のために必要なこととは?

永住権取得に重要なことは、学校に通い看護師の資格を取得することはもちろんですが、その際に必要な「書類申請を正しく行うこと」そして「病院や医療施設などのスポンサーシップを探すこと」です。せっかく看護師の資格を取っても、「書類申請を正しく行うこと」ができず申請すらできないケースも多く、中には日本に帰国する人も少なくありません。そして、病院や医療施設などのスポンサーシップを探すこと」は、実際に現地で働くために必要不可欠です。たとえ、良い学歴や資格を持っていても、日本で看護職を長年経験していても、果たしてその人材が本当に良いかどうかは、実際に働いてみるまで分かりません。どの業界でも言えることですが、特に命を預かる現場では、看護的な技術よりもその人の人間性を大切にしているからです。実際、看護師資格を持っていても、働けずに別の仕事に就いたり転職を繰り返したりしている人もいます。周りより優れた技術や能力があろうと、永住権スポンサーして貰えるだけの素晴らしい人材で能力があると自負していても、それを判断し決定するのは、病院や医療施設、そして永住権をスポンサーする側なのです。

また、看護師として永住権スポンサーを得るためには、「ビザスクリーニング*」などの条件なども多く、同時にペナルティーもあるので、事前に知っておかなければことがたくさんあります。雇用されるには病院や医療施設とのコネクションが必要となるのですが、インターンシップやOPT期間中も、重要な機会となります。そして、就職先を紹介してもらった場合も、推薦状を書いてもらったり、永住権申請のための移民弁護士を雇ったりすることも必要となり、さまざまな手続きがあります。

弊社では、数年前から「永住権スポンサーシップ・プログラム」を行っていますが、私は、事前のコンサルテーションで、全ての人が永住権を取得できるわけではないとはっきりお伝えしています。理想を言えば、アメリカで働くということを視野に入れて、看護留学準備の時点で就労ビザなどについても調べておくことですが大切ですが、留学してからでも決して遅くはありません。そして、書類を申請する際は、事前に十分なリサーチを行うこと、そして個人のブログやサービス会社のウェブサイトからの情報をうのみにせずに、きちんと納得できるまで聞いたり調べたりすることも重要です。

「永住権スポンサーシップ・プログラム」について詳しくはこちら

*ビザスクリーニングについて
海外で看護教育を受けた看護師達が必ず通らなければならないのが「ビザスクリーニング」です。以下のサイトで細かくその要綱が示されています。
CGFNS FOR VISA SCREEN http://www.cgfns.org/services/visascreen/

NCLEX、CGFNS、永住権書類申請の落とし穴に注意!

以前も少し触れていますが、8月より NCLEX の書類申請方法が大幅に変更になっています。そのせいか、これまでは、日本在住者からの書類作成代行相談などがメインでしたが、8月以降は、アメリカやオーストラリア在住者からの相談がほとんど。相談の内容の多くが、自分で NCLEX 書類申請を試みたがうまくいかないという方ばかりで、アカウントを作成したものの、そのまま放りっぱなしというものです。

NCLEXやCGFNS(Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools)への書類申請、そして他州へライセンスを異動する際、注意事項を言えばきりがないのですが、覚えていてほしい点がいくつかあります。

1. NCLEX書類:申請時に誤った内容を記入すると、最悪アカウント凍結に!

NCLEX のアカウントを作成していなくても、一度でも入力したことがあると、その人の過去の履歴や書類の内容は、サイト内で全て記録され残っています。しかも、誤った情報を記載したり、情報が漏れていたりすると、アカウント作成の続きをしようと思って再度開くことができず、最悪ブロックが掛かってしまいます。途中までアカウントを作成したものの分からなくなり放棄、またはアカウントを作成したけれどエラーが起こり困り果てて、弊社に書類作成代行を希望される人が多いのですが、こうなってしまうと、アカウントを再作成どころか、書類申請も非常に困難となります。弊社でも、過去に数名ですが、やむなく書類作成代行をお断りしたケースもあります。

2. 他州へのライセンス移行:最初の書類申請内容が鍵に!

他州で取得したアメリカ看護師資格の移行(エンドースメント)をする際も、最初に書類申請の情報の全てが記録されているため、後から内容を変更することはできません。必要事項や注意点を理解した上で、書類を作成する必要があります。

3. 永住権申請:書類に不備があれば申請が不可になることも!

看護師永住権スポンサーが見つかった場合にも、就労ビザの書類申請が鍵となります。書類申請が正しく行われていないと、就労ビザが下りるまで膨大な時間がかかったり、書類自体に問題があれば申請が不可能になったりするという結果になります。

4. 医療留学と看護留学は違う?

公衆衛生学(The Master of Public Health)、医療管理学(The Master of Healthcare Administration)は、看護師としての雇用ベースでの永住権取得の道のりは、通常の正規看護婦(R.N.)やフィジカル・セラピストなどの永住権申請とは異なります。例え、NCLEXに合格しても、“アメリカの看護師”として永住権書類申請はできませんのでご注意を! 関連記事はこちら

【体験談】~永住権を取得するまで~ アメリカで働く日本人看護師

個々によって、注意すべき事項は変わります。詳細は、カウンセリングでお問い合わせください

アメリカ看護留学 新サービス誕生のお知らせ

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