Yさん (6) アメリカでの看護師就職活動と現場での学び 語学の壁を越えて
2025年11月15日掲載
Yさんの前回の体験談はこちら。
看護大学を卒業する前から、アメリカでの就職活動は決して簡単ではないと感じていました。特に英語力が問われることは分かっており、語学に対する不安を抱えながらのスタートでした。
面接で感じた現実と悔しさ
実際の就職面接では、日本での看護師経験やバックグラウンドについてはほとんど触れられず、アメリカ国内での臨床経験の有無が中心に問われました。
「アメリカでの臨床経験はありますか?」「現地の医療現場で働いたことは?」といった質問が続き、日本での経験をどう結びつけて伝えるかに苦戦しました。悔しさが残る一方で、現地での経験をどう言語化し、価値として伝えるかの重要性を痛感しました。
ボランティア経験から得た学び
卒業前には、介護施設でボランティアとして高齢者ケアに携わる機会がありました。認知症の方とのかかわりや、アメリカの高齢者施設の文化を学ぶ貴重な経験でした。
しかし、面接ではその経験を十分にアピールできず、「どのように現場に活かせるか」を明確に準備しておくべきだったと反省しています。アメリカでの経験は、たとえボランティアでも実践的な学びとして評価されるため、その価値を自分自身が理解し、言葉にして伝える力が必要だと感じました。
現在の勤務と語学の壁
現在はナーシングホームで勤務しています。認知症ケア、家族との連携、多職種とのチームワークなど、日々の業務では高い英語力が求められます。英語が第二言語の利用者も多く、非言語コミュニケーションを駆使する場面もあります。さらに、医療保険制度や家族とのやりとりなど、専門的かつ複雑な英語表現が必要とされる場面も多く、語学力の壁を強く感じています。
英語は看護の“基盤”
英語力があることで、利用者や家族の思いをより深く汲み取ることができ、他職種との連携も円滑になります。制度や社会資源への理解も深まり、看護師としての視野が広がるのを実感しています。英語は単なる言語ツールではなく、アメリカで看護を実践するための“基盤”であると強く感じています。
今後の目標
将来的には病院勤務を目指しています。現在のナーシングホームでの経験は、医療知識だけでなく、地域福祉制度や多職種連携、家族ケアなど幅広い分野への理解を深める貴重な機会となっています。これからも英語学習を続けながら、アメリカの医療・福祉制度への理解を深め、安心と信頼を届けられる看護師を目指して努力していきたいと思います。
看護学校の卒業式で。




