~永住権を取得するまで~ アメリカで働く日本人看護師
2020年12月15日更新
近年は、永住権を取得し、アメリカの病院や医療施設で働く人も増えてきました。そこで、このシリーズでは、現在、看護師として勤務している卒業生を取り上げ、永住権取得までの道のりに焦点を当て紹介していきます。
移民法は日々変化しているので、専門の人に相談するのが一番です
H.O.さん プロフィール
アメリカ看護社サポート開始:2018年11月
永住権取得:2019年11月
名古屋市立大学卒業後、大学付属病院のICU/CCUで勤務、院内のCPR/ACLSのインストラクターや外来看護に携わる。日赤医療センター献血ルーム勤務後、アメリカのテキサス州でオーペアプログラム(Au Pair)に参加。その後、再渡米し、4年制大学の健康教育学部を経て、公衆衛生修士号を終了。地域の公衆衛生と研究に携わる。
H.O.さんの過去の体験談はこちら。
アメリカの永住権取得は、誰もが言うように簡単ではないですし、憧れやお金目的だけで渡米することはお勧めできません。取得した後もいろんな課題がやってくるので、それがゴールではなく、その先に何をしたいか明確な目標がないと、どこかで必ずその壁に直面するからです。正規のルートで看護大学へ入学しようと思えば、最低2年は基礎科目といって解剖学や数学、歴史などからやり直さないといけないですし、看護学部に入ってからも実習や宿題が多く、経済的にも収入がない日々が続くので、精神的な負担も増えてきます。運が良ければ、OPT中にスポンサーしてくれる施設を見つけられる人もいるかもしれないですが、ほとんどの場合、その短い期間に自力で見つけるのは難しいと思います。
やっと見つけた就職先の労働条件も、必ずしも日本より良いところで働けるとは限らないですし、差別や格差が日本よりあります。裏技を使って英語から逃れられることもないです。職場での医師の指示や患者さんと会話する上でも、やはりTOEFLで高いスピーキング力を必要とするのには理由があると思います。何事においても近道というものはないです。
何より、永住権の申請をする上で最も重要になってくるのが、スポンサーをしてくれる施設を見つけることです。それなしでは、いくらアメリカの看護免許をもっていてもVISAスクリーンが通っていても、そこから先へは進められません。アメリカ滞在が長いほど、移民局から必要とされる書類が多くなり、私のケースは何度も追加書類の要請がありました。経験のある専門の弁護士の方の助けなしでは、自分1人では対応しきれなかったことが多々ありますし、移民法は日々変化しているので、自分で調べることも大事ですが、専門の人に相談するのが一番だと思います。
紆余曲折あったものの、1年ほど前に、ようやく看護師として永住権を取得!看護師枠ではなく、結婚で永住権を取得する人も多いようですが、星さんのおかげで念願の永住権を取ることができました。夢だったアメリカで働く機会を得て、星さんには本当に感謝しています!未だに激務の日々は続いていますが、毎日学びながら自分ができることに一生懸命取り組んでいます。現在、一時帰国中ですが、今まで帰国していなかったので、その分家族との時間を過ごしています。来年1月中に再渡米し、チャージナースとして働きながら、教育部門の担当をする予定です。
星宣子から
Hさんの永住権取得からあっという間に1年が経ちました 。私が今でも思い出すのは、 たった1回の初回無料コンサルテーションで即決し、弊社の永住権スポンサープログラムに申し込みされたことです。当初、Hさんは看護学士取得を希望していたのですが、アメリカ人学生であろうと、また英語力の有無にかかわらず、看護科入学には2~3年待ちというのが普通です。ましてや留学生の場合、3~4年の待ち時間も当然です。そして、学生ビザでは、入学を待っている間に滞在資格を失い強制送還になります。そのため、Hさんが公衆衛生の修士プログラムに進んだのですが、最後のOPT中で残すところ2カ月という頃に、弊社に問い合わせをいただいたのです。しかし、公衆衛生学修士を卒業していても、看護師としての永住権スポンサーシップには条件が当てはまらず、結局看護大学3年生に編入し、卒業と同時に永住権を取得しました。
これまで何度もお伝えしていることですが、アメリカで看護師になるためには、ほとんどの場合、専門のエージェントに頼らなければ不可能です。Hさんも、上記で触れていますが、実際、多くの方が結婚して永住権を取得することも多いのです。ただし、これでは看護師としての永住権を取ったことにはなりません。もちろん、どんな方法であれ、永住権を取得し病院などで働いていれば結果は同じなのですが、取得が結婚によるものなら、看護師として永住権取得したい方にとっては参考にはなりませんので、ご注意を。
Hさんは現在、日本に一時帰国中されていますが、来年にはまた明るい笑顔を見られそうです。これからも頑張ってください!応援しています。
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