Chiakiさん (4) 渡米1年、臨床現場での実習開始
2024年6月1日掲載
Chiakiさんの前回の体験談はこちら。
看護大学も5ターム目に入り、臨床現場での実習が始まりました。アメリカに来てから一番の課題は常に英語力でしたが、もちろん、実習においても最も心配なことは、現在の語学力が実際に通用するのかどうか、ということでした。これまで、英語に関しては自分の考えを伝えるための練習を中心に勉強していましたが、今回の実習を通して、自分にとって最も大きな課題はリスニング能力であるということがわかりました。臨床現場では、会話の速度が速いだけではなく、患者の状態を医師やリーダーに報告したり、医師からの指示を受け取るといった長い会話のやり取りをする必要があります。また、同じ英語でも人によって様々な癖があり、自分にとって聞き取りやすい英語もあれば、そうでないものもあります。また何よりも、授業とは違い、投薬をはじめ実際に患者に対し侵襲行為をするため、これまでの「なんとなく理解できる」といったレベルの理解力では全く通用しないということを実感しました。その日の実習を終えるたび、どうして自分はみんなと同じようにスムーズに出来ないんだろう、と自身のふがいなさに情けなくなり、とても落ち込みます。それでも、なんとかしがみついていられるのは、同じ臨床現場で実習をするクラスメイトや大学の教授、実習先の臨床指導者の方々と患者さんが、支えてくれているからです。
私はプライベートではあまり他人とコミュニケーションをとることが得意ではないので(仕事は別です!)、よそよそしい印象を与えてしまいがちなのですが、クラスメイトたちはそんな不器用な私に対しても、積極的に声をかけ助けようとしてくれます。担当教授についても、私がなんとか無事に実習を終えることができるよう応援してくださっている気持ちが、言葉の節々から伝わってきます。患者さんにも「看護師に一番大事なのはCompassionよ。あなたみたいな人が一番良い看護師になる。がんばって。あ、Compassionってわかる?いま携帯電話で調べても良いよ笑」と言っていただき、自分はこの仕事がやっぱり好きだなあ、と改めて思いました。臨床指導の看護師の方々も、忙しい業務の傍ら実習を有意義なものにできるよう「わからないことがあったら、遠慮しないで言って、何度も確認をするようにして。あなたはよくやってる、大丈夫だよ」と、忙しい業務のかたわら、応援してくださいました。
私がアメリカに来てから、もう1年と半年が過ぎました。それでも、まだまだ新しい経験ばかりで、何をするにも自分にとっては大きなチャレンジであり、それが他人に撮って些細なことでも、心身ともに大きな負担であることは確かです。しかし、その経験から見つかった新たな課題に一つ一つ対処してきたことで、1年半前よりも、人として、ずっと成長していると感じます。まだまだ先は長いですが、今後もくじけず、支えてくださっている人たちへの感謝の心を持ち続けながら、目標の達成に近づけるよう努力を続けていきたいと思います。