第2次トランプ政権で相談者急増!看護留学の代わりにEビザ滞在資格で渡米、その代償は…
2025年6月1日掲載
前回はオペアでの渡米について書きました。今回は、弊社に実際に寄せられたEビザ取得でのご相談内容の一部を紹介します。Eビザとは、米国内で貿易や投資活動を行う際に取得するビザです(USCISウェブサイト参照)。
■ ケース1:ハワイ州でRNとしてスポンサーしてくれるはずが……
2023年にハワイ州RNライセンスを取得し、EB3カテゴリーのグリーンカードスポンサーをしてくれるというクリニックで働いています。労働局の申請などを行い、2年ほど経って、I-140書類申請を目前にして、弁護士に雇用されているクリニックは賃金を支払う能力がないと判断され、申請を断られてしまいました。どうしたらよいでしょうか?
■ ケース2:日本での看護師経験はアメリカで看護師になる上で有利になる?
日本で正看護師として18年勤務し、以前から漠然とアメリカで看護師として働けたら、と考えてきました。しかし自分の英語力のなさや手続きの難しさ、ビザの問題などなど、とても難しく感じ諦めていました。アメリカで看護師として働く友人から「アメリカ看護」を紹介して頂き、連絡しました。現在は、E2ビザを取得し、ハワイ州でキッチンマネージャーとして勤務しています。もしかしたら資格を取ることでアメリカ永住ができるのかな、と。もちろん資格を取ったからといって就労できないことも理解していますが、このようなケースはどうでしょうか?
■ ケース3:NCLEXに合格すれば、アメリカで看護師として働ける?
2025年3月にNCLEXに合格しました。今、ハワイ州で学生ビザで英語を勉強しながら看護師として就職するためにビザサポートしてくれるエージェンシーを探しています。ビザスポンサーを紹介してくれるといういくつかのエージェントに問い合わせをしました。しかし経験や英語力で次に進めません。また、日本人でアメリカで看護師をしているという方のウェブサイトを見つけ、費用を支払ってスポンサー会社を紹介してもらいましたが、実際にグリーンカードスポンサーとして書類申請が可能かどうかは分からず、その後、何度連絡しても何もしてくれず、今は、ただアメリカで学生ビザで滞在しているだけです。私のゴールは麻酔専門看護師なので将来的にfree education systemのある病院に就職したいと考えています。ぜひ、カウンセリングをお願いしたいです。
■ ケース4:学生ビザからEビザへの切り替えは要注意
日本で4年制看護大学を修了し、正看護師として3年勤めていた者です。現在は、E2ビザ(飲食ベース)を取得し、ハワイ州に滞在しています。今後、アメリカで看護師として働けるビザを得たのちに永住権取得まで目指したいと考えております。半年ほど前まではワシントン州に留学していて、それからエージェントを利用して、米国内でE2ビザへステータスチェンジをし現在に至ります。今後、看護師を目指すにあたり永住権スポンサーを探しているのですが、全くもってグリーンカードスポンサー探しは不可能でビザ取得が簡単ではないことを痛感し焦っております。お時間ある時にカウンセリングをお願いしたいです。
【星宣子から】
結論から言えば、アメリカで看護師になるために、Eビザ(飲食業など)取得、もしくは語学留学をすることはあまりお勧めしません。
その理由は、アメリカで看護師としてのビザ取得で永住権申請を検討する方にとっては、滞在するための再渡航時のビザ取得の審査が厳しくなるためです。看護師になる前に語学力をつけたいというのであれば、英語圏に語学留学しなくても、日本で働きながらオンラインで英語クラスを取ることをお勧めします。どうしても渡米したいなら、休暇を取って下見を兼ねていくのもよいと思います。アメリカを含む留学経験者の多くは、再渡航の際、資金調達に時間を要している人が100%。また、ビザなどの問題で、手続きを一からやり直すケースも多く、時間と資金を理由に、結局アメリカ看護留学を断念している人が少なくありません。
渡米してもビザが取れない場合は、アメリカ市民とビザ取得のためだけの契約婚をする人もいます。2025年にトランプ政権に変わって、この婚姻によって取得した永住権(グリーンカード)であっても書類不備や違法処理が見つかった場合は、何年でも遡って、アメリカ永住権自体を再調査、または、はく奪できる法案も適応されています。ちなみに、帰国した方からの相談も既に2025年だけで6件ありました。
最終的にはアメリカで看護師になるために医療留学、看護留学を目指すなら、安易な方法に飛びついたり、人の話をうのみにしたりせず、どんな方法があるのか、自分が目指すゴールに沿っているのか、問題はないのかどうかをきちんと見極める力をつけてほしいと思います。