看護留学・就職の落とし穴 知っておきたい3つの重要なポイント

看護留学・就職の落とし穴 知っておきたい3つの重要なポイント

2022年2月1日掲載

留学前の手続きが永住権や就職に大きく影響する!

NCLEX書類審査と受験問題が変更に。

まず、NCLEX(正規看護師になるための試験「NCLEX-RX」)に関する最新情報です。2022年3月からNCLEX受験書類の審査が変わることになりました。また、受験問題も変更となります。すでに一部で変わっていますが、大幅に変更するのは10月からとなっています(詳細は当社にお問い合わせください)。

アメリカで正看護師として働くには、この「NCLEX」という試験に合格し資格を取得する必要があります。しかし、資格を取ったからといってアメリカで正看護師として就労できるビザを取得できるかとなると話は別です。就労ビザや永住権取得の厳しさは今も昔も変わっていません。もちろん、市民と結婚したり、グリーンカード抽選に応募して当選したりして就労ビザを取得する人もいますが、これは全ての人に当てはまるわけではありません。

実際、アメリカに留学して看護学校に通い血のにじむような努力をしてNCLEXに合格し、いざ就職先を見つけようとしたときに、多くの人が就労ビザという厳しい壁にぶつかっています。弊社が、アメリカで働くという目標を見据えた看護留学を提供するために、トータルサポートを提供するようになったのは、こういった問題を抱えた人からたくさんのお問い合わせがあったからです。

将来アメリカで看護師として働きたいと考えている人は、看護学校に入学することだけではなく、必ず以下のポイントを視野に入れることをお勧めします。

留学前に知っておきたい!就職を左右する3つの重要なポイント

1.NCLEX受験資格を取得する

NCLEXを受験するには、事前にその州の看護協会で受験を受けるための資格を取得しなければなりません。将来アメリカでの就労やグリーンカードの取得を考えているのであれば提出する書類がとても重要です。ここで手続きに不備があると、就労ビザや永住権の取得は困難になります。この受験の資格取得の手続きをしてから、ようやくNCLEXを受験することができます。

2. ビザスクリーンの審査を受ける

ビザスクリーン(Visa Screen)とは医療従事者のための総合的審査で、CGFN(Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools)という団体が行います。NCLEXに合格していることが条件で、さらにTOEFLやIELTS、日本(またはアメリカ)で取得した単位の証明、成績証明書などを提出します。ビザスクリーンの審査を通ったからといって就労ビザや永住権取得ができるわけではありませんのでご注意を。

3.グリーンカードスポンサーを得る

NCLEXに合格しようと、ビザスクリーン取得しようと、ビザスポンサーがいなければ働く先はありません。また、スポンサーも海外の看護師たちをスポンサーできるだけの経営や資産能力がなければグリーンカード取得は不可能です。

就労ビザや永住権取得できなかったケース

以下は、実際に当社にご相談いただいた内容です。全て上記の3つのポイントで問題が起こり、就労ビザや永住権が取得できませんでした。

【実例】

ケース1
Aさん(ニューヨーク州在住)
日本の看護専門学校卒業。

SNSで日本とアメリカ看護師資格取得者のコミュニティーを見つけNCLEX書類を申請する。

NCLEXに合格し、アメリカ看護大学院(MSN)を卒業、さらに APRN(Advanced Practice Registered Nurse)の資格を取得。アメリカ看護師スポンサーを探しはじめる。

CGFNSによるビザスクリーン却下。

ビザスクリーンが却下されたため、アメリカ看護師として就労許可許可申請できず帰国。

理由「ビザスクリーン」の書類に大問題が!
当社が調べた結果、Aさんが卒業した日本の看護学校のシラバスと学習時間が違っていました。実は同じ被害に遭ったが方が他に5名もいました。おそらく手掛けた業者が適当なシラバスと学習時間をコピーして載せていたと思われます。

ケース2
Bさん(テキサス在住)

日本の看護専門学校卒業。

SNSで日本とアメリカ看護師資格取得者のコミュニティーを見つけNCLEX書類を申請する。

NCLEXに合格し、グリーンカードスポンサーを探し始める。

看護師として就労許可許可を申請するはずだったが「2年間の条件付き」を申請。看護師として働く就労ビザを取れなかった。その後、テキサス州の看護大学院入学。アメリカ市民との結婚で就労ビザを申請しようとしたが諸事情により取得ができませんでした。

理由 看護師として就労ビザに申請していなかった!
Bさんは、看護師としてではなく、一般的な「2年間の条件付き」で申請していたため看護師として働けないことが分かりました。他の仕事に就くことは可能ですが、学歴と職歴が看護師なので業種によっては雇用が難しく、何より本人が希望する医療分野で働くことができません。このようにどんな種類のグリーンカードを申請しているのか分からないケースも多いのです。

ケース3
Cさん(ハワイ州在住)
日本の看護学校を卒業。

日本の通信大学でbachelor’s取得。

NCLEX書類申請、NCLEX合格、その後アメリカ大学院に進む。

結婚で永住権取得しAPRN、FNP-BCとして働いていたが、引っ越しに伴いハワイ免許をカリフォルニア免許へ書き換えすることに。

カリフォルニア州で必要な単位数と時間数が足りず、ライセンスの移行(エンドースメント)却下。

理由 ハワイ州でしか働けない書類だった!
Cさんの場合、永住権も持ってたのでハワイ州で働くのは問題ありませんでした。しかしその後カリフォルニア州の資格を移行しようとしたときに、それに必要な単位と時間数が足りないことが分かりました。おそらくNCLEXの書類を作成した業者にあまり知識がなく、ハワイ州限定で作成したのだと思います。

このような事態を防ぐためにも、NCLEXの書類提出の際に、全米で通用する単位数や時間数が掲載されたものを作成しておく必要があります。今、同様の問題がニューヨーク州で起こっており、たくさんの方からご相談を受けています。当社ではどこの州で資格を取っても他の州にライセンスを移行できるように作成してます。

資格を取っても働けない看護師が増加!

当社はカリフォルニアを拠点に活動していますが、上記のような問題で他の州や日本やヨーロッパ、アフリカなど世界中から、そして日本人以外からもたくさんのご相談を受けています。アメリカで資格を取得したにもかかわらず、就労ビザや永住権の問題で働きたくても働くことができない正規看護師が増えているのです。

留学そして就職を成功させるためにも、現在アメリカで看護師になりたいと真剣に考えている方には、ぜひ本コラムそして以下の関連コラムを読んでいただきたいです。

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