米国の看護師ビザスポンサー面接の質疑詳細
2026年3月1日掲載
今回は、アメリカでの看護師ビザスポンサー面接に関してYさんにお話を伺いました。日本での専門的なご経験から、アメリカでのお仕事、そして日米の医療の違いまで、とても興味深いお話でした。また、終末期ケアでのご家族への寄り添い方や、アメリカの現場で工夫されていることなど、読者の方にもきっと響く内容です。Yさん、お忙しい中、ご協力いただきありがとうございます。今後のご活躍、心から応援しています!
ビザスポンサー面接で語ったこと—日本での経験・日米の違い
〜私の看護キャリアと海外挑戦〜
アメリカで働きながらビザスポンサーを得るまでの道のりは、決して平坦ではありません。今回のビザスポンサー面接では、これまでの日本での経験、アメリカで働き始めてから感じた違い、そして自分自身の看護観について深く問われました。
■ 日本で培った“がん看護”と“訪問看護”の専門性
私は日本では がん看護専門看護師(Oncology Clinical Nurse Specialist:OCNS) として働き、特に終末期ケアと在宅ホスピスを専門としてきました。
急性期病棟、CCU(冠疾患集中治療室)を経て、訪問看護ステーションでは管理者として勤務。約100名の患者さんのケアプラン作成や30名ほどの看護師の訪問スケジュール管理、現場教育、地域講演、大学での授業まで幅広く担当していました。
終末期の現場では、「患者さん本人だけでなく、家族の不安に寄り添うこと」を大切にし、時間の限られた中でもその人らしい最期を支えることの本質を学びました。
■ アメリカで感じた医療文化の違いと学び
アメリカの医療現場で働き始めたとき、最も驚いたのは「役割分担の明確さ」でした。
RN(Registered Nurse)は判断と指示に専念
実施部分はLVNやCNAが担当
医師への報告は必要な場合に限定
RNの臨床判断に大きな裁量
日本で培った包括的な視点を活かしつつ、役割分担を意識した判断と連携の大切さを実感しました。
特に印象的だったのは、終末期の85歳男性のケース。SpO₂低下や不安の増大が見られ、RNとしてチームに指示を出し、医師へ報告しながら状況に応じてケアを調整しました。こうした “判断を任される”文化 は、日本とは大きく異なるものでした。
■ 終末期ケアと家族支援 ― 日米の「死生観」の違い
アメリカでは 死を人生の自然な過程として受け入れる文化 が強く、Advance Directive や DNR があらかじめ確認されているケースが多くあります。
ある高齢がん患者さんのご家族から「この状況で自分に何ができるのか」と相談を受けた時、私はこうお伝えしました。
残された時間は患者さんにも家族にとっても大切
反応が薄くても声は届いている可能性がある
そばで寄り添う時間が安心につながる
ご家族は「それなら自分にもできる」と表情が和らぎ、穏やかな時間を過ごされました。
日本とアメリカの文化の違いを超えて、家族の不安に寄り添うケアはどこでも変わらないと改めて感じた瞬間でした。
ビザスポンサー面接で試された「看護観」と未来のキャリアビジョン
■ 面接で問われた「看護観」と現場での実践
面接では、日本での専門性だけでなく、アメリカの医療現場でどう応用し、どんな強みとして発揮してきたかが問われました。
私はこう伝えました。
日本で培った観察力と柔軟性
患者・家族の気持ちを汲み取る力
多職種連携の中での調整能力
End-of-life care の経験と家族支援の実績
実際に、現場では忙しいスタッフ同士の連携を円滑にするため、
不要な報告はせず、重要情報だけを共有
患者情報はCANに事前に伝え、効率よくアセスメント
英語は「完璧でなくていい、笑顔で伝える」姿勢で克服
など、小さな工夫を積み重ねてきました。
■ OPT後の就労とビザ、そして将来像
面接ではOPT終了後の働き方についても質問されました。私は、法的サポートを受けてビザ申請が適切に進んでおり、今後も継続して勤務可能であることを伝えました。
そして、将来の目標についてこう述べました。
最終的にはNP(Nurse Practitioner)として、終末期の患者さんの家へ訪問し、包括的なケアを提供したい。
そのために今は、
英語力の強化
訪問看護RNとしてのスキル向上
日米両方の文化・医療を理解した看護の探求
を進めています。
■ ビザ面接を通して感じたこと
今回の面接を通じて、自分の経験を振り返り、日本とアメリカ、どちらの医療にも価値があり、その両方を理解していることが自分の強みになると再認識しました。
忙しい日々の中でも、前向きに働けていることに感謝しながら、これからも患者さんと医療チームの双方に貢献できる看護師として成長していきたいと思っています。



