新型コロナウイルス禍における情報トラブル - 2020年アメリカ看護雇用事情

新型コロナウイルス禍における情報トラブル - 2020年アメリカ看護雇用事情

2020年6月15日掲載

新型コロナウイルス医療雇用事情

世界中に拡大した新型コロナウイルスの影響は、医療崩壊や経済不安など多岐に渡ります。米国立アレルギー感染研究所のアンソニー・ファウチ博士(Dr. Anthony Fauci)が「新型コロナに対するワクチンの完成は、どんなに早くても、2021年1月になる」と明言しているように、新型コロナウイルスにはワクチンが無いため、今は何をやるにしても人々に心理的なブレーキをかけていると思います。

しかし、一方で、アメリカで看護師を目指す方には朗報もありました。前回のコラム「チャンス到来!どうなる?2020年アメリカ看護留学事情」でも触れた通り、アメリカは、新型コロナウイルス感染拡大以来、治療にあたる医療従事者への就労ビザ取得や特別雇用、ライセンス取得など、柔軟な対応をしています。5月9日には、トランプ大統領が、新たに看護師と医師を対象に期限付きで4万人がグリーンカードを取得できる法案の検討を表明しています。(”Legislation Introduced In US To Offer Green Cards To Immigrant Nurses, Doctors” )

正しい情報を選ぶ大切さ

現在アメリカでは、タイミングは違うものの、5月半ばから全米でサービスや施設を徐々に再開しています。しかし、個人の感覚としては、今も食料調達以外は外出しないようにしているので、スーパーマーケットに行っても客の入りは少ない気がするし、規制緩和で浮かれる人々を報道するテレビやインターネットのニュースと、私が体感している現実とはかけ離れているような気がします。たくさんの情報があふれる世の中で「正確さ」「信ぴょう性」「選択」などについて、改めて考えさせられました。

ここ数年、インターネットや人から間違った情報を得て、看護留学や永住権のチャンスを棒に振った方からたくさんご相談を受けてきました。このコラムでも、人づてに聞いた話をうのみにしない、インターネットだけに頼らないと再三お伝えしていますが、新型コロナウイルスのため、長い自宅待機中に、永住権申請などについてインターネットで情報収集していた人も多かったため、それにまつわるトラブルが増えているようです。

実際に、弊社にお寄せいただいたご相談を紹介します。

トラブル ケース1(Tさん)

看護学校在学中に NCLEX に合格し、現在永住権スポンサー探しをしています。最近、YouTube で、アメリカで看護師として働く日本人の動画を見つけたのですが「エージェントに費用を掛けずともアメリカ看護師の資格があれば就労ビザ申請できます!」と言っていました。また、新型コロナウイルス禍で、アメリカの看護師ライセンスを持っていれば永住権のスポンサーしてもらえるという新聞の記事も読みました。しかし、韓国人のクラスメートは永住権申請したものの書類却下され弁護士に相談中です。弁護士曰く取得は厳しいだろうということです。私もこのままでは、時間だけ経ってしまい無理なのではないか?と思ってきました。やはり、こんな状況下では、個人でスポンサー探しをすることは困難なのでしょうか。

永住権申請は、人によって条件などが異なります。おそらくクラスメートは、必要書類に何か問題があったり、申請条件を満たしていなかったりしたのかもしれません。他人のケースはあくまでも参考程度にし、まずは専門家に相談して、自分の状況を知っておく必要があります。

トラブル ケース2(Mさん)

現在、OPT中ですが、あと3カ月で期限が切れてしまいます。数カ月前に、知り合いの紹介で永住権申請をしてもらえるということでニューヨークへ来たのですが、新型コロナウイルスの影響もあり、スポンサーしてもらえなくなり困っています。どうしたらよいか分かりません。

知り合いから紹介されたというのが、どんな会社で何人の永住権取得者がいるのか分かりませんが、重要なことは、Mさんご自身が永住権スポンサーをしてもらえる看護師であったかということです。アメリカでは、医療経験や推薦コネクションが無い海外の看護師を、90日間のトレーニングもなく、いきなり永住権スポンサーする医療系の雇用者はおりません。ちなみに、派遣会社などでは、看護師永住権スポンサーは不可能です。Mさんの場合は、まずアメリカに合法的に滞在できることを第一に動くべきです。そして、自分の永住権書類申請がどこまで進んでいるのか確認し、改めてスポンサー探しをするか、米国医療機関と強いコネクションのある人を見つけたほうが良いと思います。

トラブル ケース3(Kさん)

今、アメリカは、新型コロナウイルスの影響でいろいろ大変だと思います。ニュースによると、日本よりアメリカの被害が大きいので、おそらくビザもなかなか申請までいかないのではないのかなと不安もあります。このような場合、渡航自体はどうなるのでしょうか?ビザ申請はいつからになるのでしょうか?最悪どうなってしまうのでしょうか。心配でたまりません。

新型コロナウイルスが治まらないことには何とも言えないのですが、弊社のクライアントさんで6月25日に面接の予約が入っている方がいらっしゃいます(留学生ではなく医療従事者)。このビザ面接は3月19日からストップしていますが、5月後半の時点では、2日間だけ移民局が開きビザ面接予約を受け付けました。その結果、東京での7月ビザ面接や満席。8月は3席だけ残っていました。今後は、6月29日から移民局が再開されるのではないかと予想されています。


たくさんの情報があふれている中で、アメリカで看護師になる夢を実現させるためには、「正確さ」「信ぴょう性」「選択」というキーワードが重要です。私は、自分が目標を叶えるためには忍耐や努力はつきものだと覚悟しています。そして、その目標を叶えるための資金もとても重要だと思っています。例えば、普段の生活においても、何か問題があった時は、ケチらずプロや専門家を探します。理由はケチった分、自分が本当に欲しい時に欲しいものが手に入らないからです。また、信ぴょう性は自分ではかるものではありません。しかし、“なんとなく”相手から伝わってくるものだと思っています。直感と呼んでもよいかもしれません。

そして、何より大切なことは、自分と他人では、同じ夢を叶えるにしても、必要な条件などは違うということを理解しておくことです。留学も永住権申請も、個々で状況や条件、必要な資金は大きく変わります。自分に何が必要なのかを把握し、正確な情報を選択して進めてくださいね。

深夜3時。新型コロナウイルスの対応に追われるロサンゼルスの看護師たち。過酷な状況が続く中、気合いを入れてグループショット!

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ハリウッドエリアの病院で働く看護師Jさんと。身内がこの病院に緊急入院した折、担当していただき大変お世話になりました。

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【お申し込み受付中】看護留学 ★ 初 Zoom セミナー開催 ★ スケジュールとテーマ

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アメリカで看護師になりたい!看護留学  ★★ 初 Zoom セミナー開催 ★★

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